家庭内別居した夫婦のその後…夫との完全な“別居”を選んだ妻たち #1「夫の告げ口」
同じ家には住んでいるけれど、別々の空間で過ごし干渉を避けるのが家庭内別居。
顔を見るのも嫌なほど心が離れてしまうと、関係の修復はよほどの覚悟がないと難しいのが現実といえます。
離れているとはいえ、配偶者の気配が消えないことのストレスは、「次の選択」をどうしても考えてしまうもの。
元の関係に戻るのではなく、本当の「別居」に移った妻たちはどんな決意をしたのでしょうか。
「夫とは、半年ほど家庭内別居の状態でした。
共働きで忙しさは同じはずなのに、『俺のほうが稼いでいるから』と言い切って家事も育児も放棄するようになった夫とは、険悪な空気がずっと続いていましたね。
確かに夫は収入が高いけれど、『それなら私は仕事を辞めてもいい?』と言うと嫌な顔をするのですよね。
もちろん私は仕事を辞める気などないのですが、休日もリビングでゴロゴロして子どもと遊ぶことも嫌がり、邪魔にしかならない夫には愛想が尽きました。
同じ部屋で寝ることが嫌になり、幼い息子たちの子ども部屋で私も寝起きするようにして、夫の弁当は作らず夕食の用意も適当、夫がしない分の家事をこなすので精一杯でした。
最初のうち、『嫌がらせかよ』とぶつぶつ文句を言っていた夫ですが、一人でバタバタする私を息子たちが手伝って、自分はソファで横になっているのなんか、どんな思いでいたのでしょうね。
それから別居を決めたのは、義母がこの生活に介入してきたから。
ある日の夕方に突然訪ねてきて、『妻ならもっと夫を大事にするのが当たり前よ』と言い出して、夫が告げ口したのだなと気付きました。
あなたの息子は子どもと遊ぶこともしませんよ、と返したかったのですが、『息子のお金で生活しているのだから』と言われたとき、ああやっぱりこんな親なのだなと思いましたね。
それから数日後にまた家に来て、じろじろと部屋を見回すのが本当にストレスで、同じ市内にある実家の両親に相談して、別居の計画を立てました。
私の両親は家庭内別居の話を聞いて驚いていましたが、日曜日に遊びに行ったときに子どもたちからも私と同じ話を聞いて、夫と義実家の異常さに呆れていました。
すぐの離婚はさすがに止められ、『お互いに頭を冷やすため』と、私とふたりの子どもが暮らせるように家の状態を整えてくれた両親には、本当に感謝しています。
実家に戻ることを夫に告げたら『ふざけるな』と言われ、次の日には案の定義母からも着信がありましたが、無視して引っ越しを決行、手伝いに来た両親を見て夫は逃げ出すように家から出ていきました。
夫も義母の気配もない実家でやっと息がつけて、ギスギスした空気から解放された子どもたちも両親と楽しく話していて、別居して本当によかったと思います。
保育園に事情を説明するなど大変なこともありましたが、今は落ち着いて暮らしています。
夫からは『話し合おう』とLINEでメッセージが届き、さすがに反省したような雰囲気も見えますが、一度でも謝罪があれば次を考えるつもりです」(30代/公務員)
配偶者のモラルハラスメントに義母まで加担されると、こちらは孤立する一方になります。
妻の気持ちを考えずなぜか「自分たちのほうが上」と思っている人たちとは、前向きな会話は難しいのが現実です。
物理的な距離を明確にできる別居は、何よりも自分と子どものため。
健全な心を取り戻すために、別居が最善のケースです。
(ハピママ*/弘田 香)