Yahoo! JAPAN

ヤッホーブルーイングの「ゆっくりビアグラス」の真価

ワイン王国

ヤッホーブルーイングの「ゆっくりビアグラス」の真価

ヤッホーブルーイングは、自社のビジネスをビール製造ではなく「ビールを中心としたエンターテイメント事業」としている。だからこそ、この「ゆっくりビアグラス」が誕生したに違いない。

砂時計を模した独特のフォルムをまとい、よなよなエールの缶(350ml)がちょうど1本入る。注ぐ際、まず感心したのが上下をつなぐくびれ部分(砂時計のオリフィス、またはノズルに当たる部分)から、きれいな泡が立ち昇る。その様は、まるでシャンパングラスのよう。
ベルギーの『デュベル』(モルトガット醸造所)のグラスに前例はあるけれど、日本のブルワリーにおいて注がれるビールの立ち居振る舞いを愛でることを考慮したグラスは、おそらくない。
小誌では、ビールを飲むためのグラスを選ぶ際「透明なガラス製」であることを基本としている。それは、ビールの液色や、立ち昇る炭酸、泡の状態等々を‟じっくり眺めながら、愛でながら”ビールを楽しみたいからだ。ゆらゆらと、一筋の泡が立ち昇る様は、まさに愛でるにふさわしい美しさだ。

ノズル(上下をつなぐくびれた部分)は、およそ6~7㎜。ガラス職人が手拭きで丁寧に仕上げている。そこから立ち上る美しい泡は見ていて飽きない。 https://www.instagram.com/p/C-KApiEyIsi/
ひとつひとつ、ガラス職人が手吹きで仕上げた本格的なもの。単なる‟キワモノ”ではなく、立派な工芸品なのだ。そのため、現在では量産することが叶わず、よなよなの里での抽選販売となっている

「爽快感なし」でもないし、「飲みづらい」も工夫次第で解消

さて、すでにSNS等では「爽快感なし」や「飲みづらい」とのキーワードとともに紹介されているが、実際に数日間ヤッホーブルーイングから拝借し使ってみたところ、それほど酷評されるものではないと感じた。

上部に入ったビール(170~180ml)は、普通のビールグラスのように、ゴクゴクと飲める。つまり、最初のひと口~ふた口は気持ちよく、なんのストレスもなく飲めるのだ。ゆえに、「爽快感なし」は当てはまらない。

飲みづらいのは下の部分だ。グラスを持ち、口につけたままノズルを通ってビールが出るのを待っていると、たぶん、ほとんどの人が全部を飲み干すことを諦めてしまうだろう。それに、ずっと持ち続けているとビールが温くなり、おいしく飲めない。

そこでお勧めしたいのが、上部に注がれたビールを飲んだら、グラスを倒して、上部にビールが貯まるのを待ち、それをゴクリとやる飲み方だ。時間にしておよそ20秒で、20ml前後のビールが貯まる。ワインのソムリエが品質を確認するときに口に含む量が15ml程度と言われているので、ゆっくり、そして味わいながら飲むひと口として20ml前後はむしろ最適である。20秒間グラスを上に持ち上げ、首を曲げビールが出てくるの待っているのは苦痛だが、おしゃべりをしたり、おつまみを食べて過ごせばあっという間に過ぎる。

ゆっくり飲むということは、必然的に味わいながら、愛でながら飲むことになる。そうした観点からも、この「ゆっくりビアグラス」は、新しいビールの楽しみ方を気づかせてくれるきっかけになるに違いない。

発表会の席上、ヤッホーのてんちょこと井手直行社長は「お酒メーカーさんから要望があれば、ぜひコラボレーションしたい」と言っていた。確かに、上部に氷、下部にウイスキーを入れてロックグラスとして使ってみたら、ウイスキーであれば数ミリでも口に入れば満足だし、飲む際に氷の表面に伝わり冷やされるので、一般的なロックグラスのようにグラスに氷が同居するよりも、薄まらない(ように思う)

「洗いにくい」とSNSでは衛生面を心配する声もちらほらあるが、そこはライオンの「マジカ」で解決だ。なんでも、ライオンには洗いにくい形状の食器の汚れをどう落とすかを研究するチームがあり、そのチームからマジカを使えば問題なし、とのお墨付きをもらっているそうだ。
[https://x.com/Magica_Nanoarai/status/1814161518105383211]

現段階では、よなよなの里から期間限定(8月16日まで)/個数限定限定(10個)の販売となる。幸運にも手にした方は、きっとこれまでとは違ったビールの楽しみ方を発見するはずだ。

おすすめの記事

新着記事

  1. <は?>旦那が「家事育児は適当でいいからフルタイムで働け」と言う。あなたやる気ないでしょ?

    ママスタセレクト
  2. 団体献血に112人 大栄工業グループと協力会社 伊賀

    伊賀タウン情報YOU
  3. まるでお店の味!ねぎ塩だれがたまらない…鶏ささみの唐揚げ。「ヘルシー!」「ボリュームあって嬉しい」

    saita
  4. どうも次に流行るスイーツは「チュロス」っぽい件について / ガスト「ディップチュロスの虜」で感じたこれまでとの違い

    ロケットニュース24
  5. 皿倉山の冬の風物詩「イルミネーション」が点灯開始 今年のデザインは?【北九州市八幡東区】

    北九州ノコト
  6. 部分解禁の鹿島沖ヒラメ釣りで55cm筆頭に本命4匹【茨城・大春丸】好ゲストにカンパチも登場

    TSURINEWS
  7. 【かもん!カモねぎまつり2024】800食限定のカモ汁は必食!|新潟市西蒲区潟東

    日刊にいがたWEBタウン情報
  8. 兵庫区・東山商店街に豚まんの店『福包(ふくほう)』ができてる。「中華風おでん」も気になる

    神戸ジャーナル
  9. ★明日のラッキー星座は? 12星座占い・運勢ランキング【2024年11月25日(月)】

    anna(アンナ)
  10. サカナを揚げない『焼き南蛮漬け』のススメ しっかり焼いて強めの酢に漬ける

    TSURINEWS