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うらたぬき ソロアルバム『VOICE』収録曲も披露、フルパワーのパフォーマンスで魅了したバースデーライブ・パシフィコ横浜公演をレポート

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うらたぬき

Uratanuki Birthday Live 2024 -JEWEL-


2024.8.9 パシフィコ横浜 国立大ホール

※以下の本文には、ライブ内容や演奏曲の記載があります。ネタバレを避けたい方はご注意ください。

現在、アリーナツアー中の男性ボーカルユニット・浦島坂田船。個性あふれる4人のメンバーの中でリーダーをつとめているのが、うらたぬきである。そう、浦島坂田船はツアー中なのだ……が、その前半戦が終わるやいなや、8月9日に誕生日を迎えるうらたぬきが、8月7日の宮城公演(@東京エレクトロンホール宮城)から自身のワンマンツアー『Uratanuki Birthday Live 2024 -JEWEL-』をスタートさせた。ツアーのあいだに別のツアーを挟むというのは、相当の離れ業である。しかも、8月1日には彼自身のソロアルバム『VOICE』を発売したばかり。今回も新曲を盛り込んでのライブになる模様だ。さっそくそのワンマンツアーの2日目、8月9日のパシフィコ横浜 国立大ホール公演の模様をお伝えしたい。

海の近くに位置するパシフィコ横浜は観光スポットも豊富な人気エリア。会場周辺には、早い時間からうらたぬきのグッズTシャツや彼のイメージカラーであるグリーンのコーディネートでマスコットキャラクターのやまだぬきをバッグにつけた“こたぬき”(=うらたぬきファンの総称)の姿が。みなとみらいをうらたぬき色に染めていた。

客席もほぼ埋まった開演10分前、突然ステージに設置されたスクリーンにうらたぬきの愛犬“あきちゃん”のかわいい動画が流される。どうやら撮影者はうらたぬき本人で、ひたすら“あきちゃん”を追っているだけの内容(笑)。オチはあるのか?……と思いきや、彼の犬愛溢れる目線だけで上映終了。こういう謎のぶっこみこそ、うらたぬきらしい。

開演直前には注意喚起のアナウンスが流れ始めたのだが、これがなんと本人の声! 声優としても活躍するうらたぬきらしく、場内にイケボが響く。こたぬき達もすぐに気がつき、ザワつき始めると、うらたぬきは「ん? 聞いてるかぁ? じゃあ返事しろ!」とドSな発言で場内を盛り上げた。最後に「セイ! ぽんぽこぽ~ん!」と“ぽんぽこぽん”コールを要求。会場には“ぽんぽこぽん”コールが響き始めた。
ほどなく、8月9日に投稿された新曲「Happy Birthday」MVが上映され、そこにはこたぬきへの感謝の言葉が浮かぶ。“出会ってくれてありがとう”――その後、照明が落ちると、一気にグリーンのペンライトが瞬き、いよいよライブ開始。オープニングムービーではうらたぬきのヒストリー映像が流れ、バースデーらしい空気を演出。直後にカウントダウンが始まり、“0”と同時にステージ中央にうらたぬきが登場した。「お前ら、いこうぜ!」と一喝。アッパーなロックチューンであるオープニング曲の「テオ」で、一気にテンションを上げていく。「スーサイドパレヱド」ではうらたぬきが手拍子を要求。続く「愚かなオルカ」ではダンサーも合流して、踊りまくるというハードな構成。「リバーシブル・キャンペーン」も「Bad end」もイントロで即歓声が上がり、エモさ全開。ロック調の曲が多いのも熱狂に拍車をかけていく。

うらたぬき

このあと、ようやく初MCタイムへ。
「始まりました! (会場を見上げて)上の方までビッシリだ!」と笑顔を浮かべるうらたぬき。そして「どんどんいきますけど、いいですか? 皆さん!」と煽って「ハイヒール・プリンセス」へ。上から目線の歌詞が日頃のうっぷんを昇華してくれる人気曲だ。しかも早口で歌うスキルが求められる難易度の高さ。このブロックでは「お手、おかわり。」「U・RA・TA」を披露。俺様ワールド全開の曲で攻めまくり、「U・RA・TA」では場内全体にコールを起こしていく。

ここで小休止のムービータイムへ。映像ではたぬきの着ぐるみを着たうらたぬきが、こたぬき達に“AとBどちらの衣装がいい?”と投げかける(ちなみにAは2020年に行われた、浦島坂田船初の配信ライブ『RAINBOW』の時の衣装、Bは2019年のバースデーワンマンライブ『Unlimited』の時の衣装)。ザワつくこたぬき達だったが、感触としてはほぼ半々か?といったところ。結果、映像内のうらたぬきは「わかった、Bだね?」と、Bの『Unlimited』衣装をチョイス。すると、B衣装に着替えたうらたぬきがステージに華麗に登場。狂喜の大歓声の中、「グッデストルーラー」へ。「誘惑」ではセクシーな歌を歌い上げ、「No.1 Girl」では、キュートな表情をふりまく。こういう振れ幅もグッとくる。

MCではうらたぬきも衣装に目をやりながら、「思い出深いな、この衣装」と、感慨深げだった(余談だが、サイズが全然変わっていないのも驚き!)。この懐かしい衣装のブロックは「シアワセは台本の外から」でひと区切りとなり、幕間VTRへ。これは“お値段ハイ&ロー”の企画で、うらたぬきが“宝石”と“シャンパン”を価格の高い順に並べていくチャレンジと、本物のマッサージ師を当てるという内容。間違えるとお尻に電流が流れるビリビリ椅子の罰がくだされる。結果は、マッサージ師のみ正解。他はしっかりビリビリ椅子の洗礼を浴びてしまった。体を張ったチャレンジに場内は笑いにつつまれ、しばしクールダウン。

うらたぬき

このあと、中盤へと突入すべく、ボルドー色のスーツに着替えたうらたぬきがステージへ。するとステージのスクリーンには“バースデーどっきり企画 セトリにない曲をいきなり演奏中!”という内容のテロップが(もちろん、うらたぬきには見えていない)。突如流れる想定外の曲に、明らかに動揺するうらたぬき。がんばって歌おうとしたところで、バンドがハッピーバースデーの曲に演奏を変更、ここでうらたぬきは状況を把握。ケーキまで出てきて、サプライズは大成功!

記念撮影のあと、「誇り高きアイドル -boy's side-」でライブが再開。「Jasmine」「恋はSurvival 愛はMagicalに」で、またもダンサーと息の合ったパフォーマンスを見せ、「Pink」ではシャツがはだけて色気を大放出。こたぬきの絶叫を誘った。

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興奮冷めやらぬ中、ここでMCタイムとなるわけだが、うらたぬきが来場者調査でまたまた場内から大きな声を引き出す。「男の子!(野太い歓声が起こる)。お~、いるね! 女の子! (当然、大歓声なのだが)……あれ? 男の方が声、大きくない?」と、こたぬき達の闘争心(?)を煽っていく。しかし、後半戦を前に実は自身にもネガティヴな一面があるとチラリと弱さを告白。それでも「皆さんついてきてくれて、本当にありがとうございます」と感謝の言葉を伝えて、「この曲を歌わせていただきたいと思います」と、「ハイドアンド・シーク」へ。彼は弱さや繊細さを吐露した歌を感情を込めて熱唱。曲が終わったあとには拍手が起こった。

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バンドメンバーによるセッションタイムを挟み、うらたぬきは爽やかな白いスーツに着替えて「URA MOVIE STAR」へ。再びオラオラモードの顔に変貌し、攻めのパフォーマンスへ。「十五夜オツキサマ」では、クールな低音ボイスを披露したり、「イイナリレーション」では、ステージに運ばれたベッドで色気全開のパフォーマンスを繰り広げ、またもやこたぬき達を悶絶させた。

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その後、過去のソロアルバムをモチーフにしたヒストリー映像が流れ、怒涛のメドレーに突入! 「セクトの誅罰」に始まり、「DANGEROUS PRINCESS」「どっきゅーん」などなど、計7曲をぶっ通しで歌い切る。メドレー中のLEDには過去のライブ映像が映され、初々しい姿にはさすがに若さも滲むが、今のうらたぬきには自信もみなぎる。残すは2曲。ここでキュンキュンのラブソング「365日」を投下。ラスト曲に辿り着いたところで「いや、楽し~終わりたくね~!」と本音もチラリ。ラストは「絶対みんな知ってる歌だから!」と「Reach」につなげる。力強い歌詞に元気をもらったこたぬきもたくさんいることだろう。うらたぬきは場内に手を振りながら熱唱。密度の高い本編を締めくくった。本編が終わると、このツアーのメイキング(オフショット)映像を使用したエンドロールが流れ、ライブの余韻を掻き立てていく。

うらたぬき

「終わりたくない」と言っていたうらたぬき、しっかりアンコールも準備していた。アンコールは浦島坂田船のメンバーを象徴する4色の宝石の映像で始まる。曲は「Re:member」。うらたぬきが自身で作詞を手掛け、浦島坂田船メンバーに向けた思いを込めた渾身の1曲だ。しっとりとしたバラードソングに彼の思いが溢れ、歌い終わったあと、感情を噛みしめる彼の表情が印象的だった。じっくり聴かせたあとは鉄板のパーティーチューンを残すのみ。ここで「グリーンライツ・セレナーデ」が飛び出し、場内もグリーンの照明で盛り上がりを後押し。あと1曲を残したところでうらたぬきが「まだやってない曲があります。みんな喉の調子はどうですか? 声を出す準備はできてますか?」とけしかけて、「たぬきのぽんぽこ祭り」へ。こたぬきが声を出せるコール部分が満載の曲だけに、マックスの一体感となった。つい先日、浦島坂田船で盛り盛りのパフォーマンスを見たばかりなのだが、いったいいつこのステージを仕上げていったのだろうか。そして彼のこのパワーはどこから来るのか……。

全メニューを消化したあとも、なかなか終われない。うらたぬきは曲ナシでコール部分をこたぬきに要求。その一糸乱れぬ声に「すご!」と感激。そのアツい空気の中、「またやりま〜す!」と、サラッと挨拶して、彼は舞台袖へと戻っていった。

誕生日と浦島坂田船のアリーナツアーが重なり、活躍の場が多い超多忙なうらたぬきの夏。まだまだ続く彼の活躍には、今後も注目だ。

文=海江敦士
撮影=小松陽祐

なお、台風7号の影響で開催中止となった8月16日(金)静岡公演は、現在振替公演の日程を調整中。詳細は追って発表されるとのこと。

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