県高校総体前特集 サッカー男子(5) 地道に、愚直に基本徹底の大分工業 【大分県】
県高校総体まで1カ月を切った。新チームで最初の公式戦となった県高校新人大会を経て、4月に1年生が加わり、チームの熟成に余念がない。今企画では高円宮杯JFA U-18 OFAリーグ(1部)に参戦するチームを中心に現状と強化ポイントをチェックし、キャプテンに意気込みを聞いた。第5回は大分工業。堅守と攻撃力を武器に総体へ挑む。
【昨年度の主な成績】
高円宮杯JFA U-18 OFAリーグ(2部) 2位
県高校新人大会 ベスト8
全国高校選手権県予選 2回戦敗退
県高校総体 3回戦敗退
県高校新人大会ではベスト8に入り、3試合で9得点と高い攻撃力を発揮した。準優勝した大分との試合でも3得点を挙げるなど、新チームの攻撃陣には確かな手応えが感じられる。しかし伊藤孝義監督は、「今年は特に飛び抜けた選手がいない分、基本に忠実なサッカーが求められる」と気を引き締める。
重視するのは、どこでボールを奪うかなどの守備の原則を徹底し、そこからどのように攻撃に移るかというテーマと向き合い、愚直に再現すること。キャプテンを務めるGK二宮拓篤(3年)を中心に、堅実な守備がチームの土台と考える。
注目は、フリーキックやコーナーキックなどリ・スタートからの得点力。プレースキッカーであるMF工藤渉(同)の正確なキックに、空中戦の強さが武器となっている。攻撃面では、FW村上温俊(同)のポストプレーや個人での打開力が光るが、「体の強さが魅力の彼と、周囲との連係を深めることが重要」(伊藤監督)と、さらなる成長に期待を寄せる。
県高校総体に向けての課題として守備力と走力の強化を掲げ、「90分間、全力で走り切れるチームづくりを目指したい」と意気込む。
新チームは攻撃力が高い
主将が語る県総体のプラン
二宮拓篤(3年)
守備的GK 174cm、70kg、前所属チームはMSS
Q:県高校総体を終えてから、積み上げてきたものは何ですか?
県高校新人大会で大分に3-5で敗れて以降、チーム全体で守備の強化に取り組んできました。特に、ボールを奪われた直後の守備への切り替えについては、監督からも改善を強く求められています。県新人大会からの短い期間ではありますが、守備意識を高める中で、チームとしての組織力も少しずつまとまりが出てきたと感じています。
Q:県高校総体で勝ち上がるために必要なことは?
チームとしての連動性をさらに高めることが必要だと思います。まだ連係が不十分な部分もあるので、GKとして最後尾から積極的に声をかけ、攻守両面で連動できるチームをつくっていきたいです。
Q:キャプテンとして、どんなプレーでチームに貢献したいですか?
自分の強みはセービング能力と的確なコーチングだと考えています。守備陣としっかりコミュニケーションを取り、毎試合無失点を目指すことでチームの勝利に貢献したいと思います。
(富田充)