【ネタバレ】『エイリアン:ロムルス』ファンのためにこだわったフェイスハガーの生態 ─ ローションを買い占めてネットリ再現
では、宇宙最凶のクリーチャーがウヨウヨ登場。ティザーポスターでも描かれているフェイスハガーは、一度見ればトラウマ級の衝撃を植え付ける不快な生き物だ。
予告編映像でも切り取られているように、本作『エイリアン:ロムルス』では大量のフェイスハガーが出現し、哀れな若者の顔面に張り付く。この場面ではフェイスハガーのとある生態が映像で表現されているが、監督のフェデ・アルバレスはその描写に細かくこだわったのだという。
この記事には、『エイリアン:ロムルス』のネタバレが含まれています。
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「これはファンのためなんだ」
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この記事には、『エイリアン:ロムルス』のネタバレが含まれています。
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『エイリアン:ロムルス』では、『エイリアン』シリーズでお馴染みのフェイスハガーが猛威を振るう。漂流していた宇宙ステーション「ロムルス」に辿り着いた若者6人は、惑星ユヴァーガに逃避行するための燃料を奪取すべく船内を捜索。タイラーたちは冷凍貯蔵庫を発見するが、そこで冷凍保存されていたフェイスハガーたちが解き放たれる……。
これまでの『エイリアン』シリーズで最悪の悪夢を産んできた恐怖の生き物だ。クモのような8本の脚を持つフェイスハガーは、人間の顔に張り付き、尻尾で首を絞める。それからは宿主の顔面にじっと張り付いたまま、口の中に管を挿入し、体内にエイリアンの胚を流し込む。一度捕まってしまったら最後、その体はエイリアンを育てるためだけの生きた養分となってしまう……。
『エイリアン:ロムルス』では、貯蔵庫を飛び出した大量のフェイスハガーがウゴウゴ、ピョンピョンと高速で襲い掛かり、ナヴァロがその餌食となってしまう。マスクのようにビットリと張り付いた謎の生物に一同は困惑するが、情報アップデートを経たアンディはその生態を落ち着いた様子で分析。膀胱部分の肺を伸縮させ、最低限の生命維持に必要なだけの酸素を送り込んでいると解説する。
「一番大変だったのは、あの生き物の膀胱と私の呼吸を合わせること」。撮影をそう振り返ったのは、ナヴァロ役としてフェイスハガーを顔面に固定されることになったアイリーン・ウーだ。彼女が米に語ったところによると、フェデ・アルバレス監督はフェイスハガーの生態を正確に表現することに非常にこだわっていたという。「これはファンのためだ。筋金入りのファンなら、この生き物の生態や、体の中に卵を産みつける過程をわかっている。呼吸を維持しなくちゃいけないから、そいつの膀胱が膨らんでいるときは、息を止めなくちゃいけない。そして膀胱が萎んだ時に息をするんだよ」と、アルバレスはウーに細かく指導したそうだ。
パペットの動きに合わせて息をするだけ……と思いきや、実際にはそれは難しいことなのだと、ウーは話す。「大変でしたよ。画面の外にいるパペットの操縦士が膀胱を収縮させるポンプを操作していて、その動きと合わせるんです」。
それだけでなく、フェイスハガーの8本の脚がラバーバンドで顔に巻きつけられており、さらに尾が首を絞めている。この尾には釣り糸がついており、引っ張ることでウーの首をギュウギュウ締め付け、窒息しているように見せる仕掛けになっているそうだ。
フェイスハガーを引き剥がすシーンで、ようやくウーはこの不快な生き物から解放される。「本当に気持ち悪かった」とウー。「バケツが用意されて、そこにローションを吐き出して、次のテイクの前に口をゆすいで洗うんです」。
ちなみに、撮影で使用したフェイスハガーのパペットにはローションが塗りたくられていたが、ウーはこのローションのイチゴ味やマンゴー味、パイナップル味のそう。撮影では大量のローションを使用するので、スタッフが「ブダペストで買い占めたローションをロンドンに送らなきゃ」と話しているのを聞いたと、ウーは振り返っている。
『エイリアン:ロムルス』は大ヒット公開中。動物研究家のパンク町田氏がフェイスハガーの生態を専門家の見地から考察・解説する特別企画は以下にて。
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