「22歳の女性が突然死」の本当の理由は?母と娘の壮絶“論破バトル”勃発の緊迫映像!『聖なるイチジクの種』
若き女性の死は病か、警察の暴走か
第77回カンス国際映画祭で【審査員特別賞】を受賞し、第97回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされている話題作『聖なるイチジクの種』が2月14日(金)より全国順次公開中だ。
2022年に実際に起こり社会問題となった、22歳の女性アミニさんの不審死。本作は、この事件に対する市民による政府抗議運動が苛烈していたイランが背景になっている。そして、ある家庭内で消えた一丁の<銃>を巡って家族も知らない家族の顔が炙り出されていく、予測不能に加速する衝撃のサスペンススリラーに仕上がった。
実際の事件を取り上げた勇気ある映画として公開前から日本でも大きな注目を集めていた本作から、<母VS娘の論破バトル勃発>を捉えた本編映像が解禁となった。
ある日、家庭内で1丁の銃が消えた――
国家公務に従事する一家の主·イマンは20年間にわたる勤勉さと愛国心を買われ夢にまで見た予審判事に昇進。しかし業務は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を課すための国家の下働きだった。報復の危険が付きまとうため国から家族を守る護身用の銃が支給される。
しかしある日、家庭内から銃が消えた――。最初はイマンの不始末による紛失だと思われたが、次第に疑いの目は、妻・ナジメ、姉・レズワン、妹・サナの3人に向けられる。
誰が? 何のために? 捜索が進むにつれ、互いの疑心暗鬼が家庭を支配する。そして家族さえ知らないそれぞれの疑惑が交錯するとき、物語は予想不能に壮絶に狂いはじめる……。
SNSも使いよう? 保守的な母に異を唱える娘たち
このたび解禁となった本編映像は、イラン国内で発生した暴動の様子を放送する報道TV番組を捉えたシーンから始まる。この暴動は、ヒジャブの着け方を巡って女性が逮捕され死亡した事件を巡って発生。SNSでは「女性は警察の暴行によって亡くなった」と拡散され、娘たちは「ヒジャブが原因で殺されたのでは?」と疑うも、母親は「まさか、病気よ。心臓発作のせい」と、とりあおうとしない。
「テレビは間違えない」――母親は何の根拠もなくそう言い切るが、娘たちは「法律が間違ってたら?」「神の法だという根拠は?」と反論。至極真っ当な疑問を投げかけるが、母親は「気に入らなきゃ、外に出て叫べばいい!」と感情が先に立ってしまう。
劇中で使用されているTV番組の映像は、事件当時イラン国内で実際に放映されていたもの。さまざまな功罪が取り立たされるSNSだが、監督のモハマド・ラスロフは「SNSの登場によって、隠されていた真実が明るみに出るようになった」と、その登場を喜ばしいものとして語っている。
『聖なるイチジクの種』は2月14日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開