「体が疲れた」……実際に疲れているのは脳?
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、12月25日の放送に、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身が出演。今月、新刊『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』を発売した梶本が、疲労の原因や回復の方法などを語った。
大竹まこと「梶本さんは特に疲労に詳しいお医者さんということで」
梶本修身「睡眠と疲労の研究をさせていただいています」
大竹「御本(『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』)の最初に『疲れているのは筋肉や体ではなく脳だ』と書かれています。どういうことですか?」
梶本「皆さん、体が疲れたと感じること多いでしょうし、仕事をしても『体が疲れた』と。でも実際に調べていくと体ってそれほど疲れていないんですよ」
大竹「そうなんですか」
梶本「たとえば運動したときって体が疲れた感じしますけど、運動したとき、まず呼吸が速くなる、心拍も速くなる。汗をかいてくる。この変化ってじつは体温を調節するために脳が一生懸命、あちこちの期間に命令しているわけなんです」
大竹「なるほど」
梶本「人間の体は脳を守るためにあるものであって、脳に酸素と栄養を供給して脳の温度を安定させる。そのために『体』という部品がついているわけです」
大竹「ほう」
梶本「体という部品に命令を下しているのも、じつは脳の中にある自律神経と呼ばれる場所です。運動したときというのは脳に酸素と栄養を早く供給してあげなければいけない。肺に『早く動け』と呼吸を促したり、心臓を早く、ということで動かしたり。あるいは脳の温度を安定させるために汗をかけ、と。命令を下すところがいちばん疲れる、ということです」
大竹「脳が自分を守ろうとする」
梶本「そう。守ろうとするために命令を下す、その命令を下すことに疲れている。すなわち脳の中にある自律神経が最も、何をしても疲れる、ということです。(さらに自律神経の説明が続く)」
大竹「脳を休めれば回復する、という話になりますか」
梶本「そのとおりです。それでいちばん大切なのが睡眠ということになります。いってみれば睡眠が脳の疲労を回復させる唯一の手段」
大竹「唯一の? ほかにはない?」
梶本「はい。自律神経の疲労を軽減させることはできるんですが、実際に起きている間に回復させることはほぼできない、と考えてもらっていいかと思います。だからこそ寝るんです。静かにテレビを見ていても寝るでしょう? 起きてテレビを見ているだけでも疲れる。覚醒している間は自律神経が覚醒を維持しているので」
大竹「ゆっくり優雅な音楽を聞くのは?」
梶本「動くより疲れは軽いけど、疲れる方向に進んでいると。ですから眠らないといけない」