ギターだけでなく、料理の腕も絶品です~Tama Tsuboiさん
ファッションデザイナー:コシノジュンコが、それぞれのジャンルのトップランナーをゲストに迎え、人と人の繋がりや、出会いと共感を発見する番組。
Tama Tsuboiさん
1991年、ニュージーランド生まれのギタリスト&シンガーソングライター。13歳からギターを本格的に始め、17歳ごろからFUJI ROCKやRISING SUN ROCK FESTIVALなど音楽フェスティバルに出演し、ジャンルにとらわれない卓越したテクニックで多くのファンを魅了し続けています。湘南エリアを中心に活動する7人組多国籍バンドSHAMANZのフロントマンでもあります。
JK:いろいろ経験いっぱいあるでしょうけど、人生のマサカを紹介してください。
TT:マサカ日本で音楽をやってるとは思わなかったですよね。基本的にニュージーランドで育ったんですけど、一生ニュージーランドに住むんじゃないかと思ってましたし。ネパールからニュージーランドに行く間、6歳のころ半年ぐらい日本にいましたけど。
JK:ご親戚とか日本に基盤があるのね?
TT:あります。祖父母も日本にいますし、いとこも日本にいますし。日本に来たこともあったのでそこは驚きではなかったんですけど、日本に住むことになるとはまったく思っていなかったですし、音楽家になる夢も描いていなかったので。
JK:でも日本語は完璧ですよね。
TT:ありがとうございます。でも15ぐらいの時は結構しゃべれなくて。発音がいいといつも言われていたので、みんな僕がしゃべれると思ってガンガン話しかけてくるんですよね。それに応えられないというもどかしさはありました(^^;)
JK:やっぱり耳がいいんですね。音楽家ってそうですよね。
TT:最近のマサカでいいますと、双子の父になるとは思ってなかったですね! それは結構衝撃的でした。最初健診の時に「双子です」って言われた時の僕の心情は・・・いきなりすぎて意外と受け入れられないというか、頭ではわかってるんだけど、先生に「それってどういうことですか?」って何度も訊いちゃったり(笑) 「2人いますよ」「いや、2人いるのはわかるんですけど、2人出てくるってことですかね?」って(笑)その身になってみると意外と単純なことも理解できなくなるんだなあって。双子だけだったらいいんですけど、上もいて、ってなると賑やかですね。
JK:夫婦で1人ずつ面倒見ればいいじゃない(^^) 双子だといつも2つ買うんですか?
TT:基本的になんでもそうですね。やっぱり双子の親ってなんでもペアで買いたいじゃないですか。なのでメルカリとかでたまに双子のおさがりがあったりすると「あった!」って。
JK:だんだん余って来ちゃうわね。だって一瞬ですもの! 1年もしないうちに大きくなっちゃうから。
TT:着ないですよね! お姉ちゃんのおさがりでいいか、っていっても双子だからそういうわけにもいかないし。だからお姉ちゃんのは全部人にあげて、双子は全部買い替え。
JK:子どもたちは音楽に対しては?
TT:みんな大好きですよ。上の子は最近歌が大好きで、いつも歌ってます。僕に「ピアノ弾いて」って言って、ジブリの曲を歌ったりしてますね。今後もっと上手になって、家じゅうが音楽で満開になればいいなと思います。
出水:ジュンコさんいわく、Tamaさんの料理もおいしいそうですね!
JK:最初あなたの音楽聞く前にお料理食べたでしょ。「料理人が来てるの?」って思ったくらい! それも人数いるのに。あの人数分作るのは大変だったでしょう?
TT:あの人数は大変ですね。MAXで18人分やったんですけど、知り合いのプロの料理人も、「結構長くやってるけど、そういう企画は絶対やらない」って言われました(笑)
出水:どんなお料理を作るんですか?
TT:ん~何料理でしょうねぇ? 多国籍ではありますね。イタリアンとフレンチを混ぜた自分流のコースメニューなんですよ。この前だしたのはセビーチェのテリーヌとか、ニンジンのステーキとか・・・シンプルな食材なんですけど、行程に凝って作るとかなり食べ応えのあるニンジンができたりとか。最低でも2時間はかかります。
JK:前日から計画してやってるんでしょう?
TT:料理を作るのは全部当日、下ごしらえも当日です。お買い物と準備と頭の中の段取りに丸1日かけます。それで当日出たもん勝負みたいな(^^)
JK:お料理やって、そのあとギター弾いて、もう手がずるずるだって言ってましたね(笑)
TT:演奏するには最悪のシチュエーションなんですよね、1日料理したあとにギター弾くっていうのは(^^;) 指もふやけちゃってて、何回手を洗ってもなんか油が残ってる感じがして(笑)
出水:お料理は独学ですか?
TT:そうですね。お母さんを見たりとか、レストランのアルバイトでメキシカンとか和食、インド料理もやりましたし。30個ぐらい玉ねぎ使って、水を使わずに素材の汁だけで5時間ぐらいかけてカレーを作ったり。すごいコクが出る。
出水:じゃあTamaさんの思い出の家庭の味は?
TT:とくにないんですよねぇ。僕のお母さんもそういう感じで、毎日違うものが出てくるし、同じものが2回出てくることがなかったんですよね。その時にある食材で作るから、本人も何を作ってるかわかんない(笑) なので味見担当が僕だったんですよ。何かわからないけど、味見してうまかったらテーブルに出す。
JK:恵まれてるわぁ! クリエイティヴね!
TT:そうやっておくと、クミンはこういう味なんだ、コリアンダーはこういう味なんだ、俺はあんまり好きじゃないな、とか。スパイスはかなり鍛えられましたね(^^)
出水:リスナーの方がまねして簡単にできるレシピはありますか?
TT:さっきご紹介したセビーチェのテリーヌ。セビーチェってレモンとライムとオリーブオイルと塩コショウで生の魚介類と野菜を和えるペルー料理なんですけど、この間はぶりぶりのサーモンとぶりぶりのエビを和えて、そこにブイヨンの粉を加えて、最終的にエゴマの葉で巻いたんですよ。エゴマのアクセントが結構あうなと思って。
JK:今度うちに来てお料理してくれません?(^w^) まだまだ可能性は山のようにあるけど、今後はどんな国でどんなことをやるのが理想?
TT:やっぱり今は日本語で歌うのが好き。僕の音楽には日本の良さも入ってると思うし、すごく洋楽的な部分もあると思うので、僕のクリエイティヴィティを活かして、もっといろんな人に日本語の歌の良さを知ってほしいというのが僕の夢ですね。
JK:日本語で世界の人が歌ってくれたらうれしいですよね!
TT:そうなんですよ! 実は今朝起きたらニュージーランドの幼馴染が、僕の書いた曲をものすごく気に入ったから「歌詞を日本語で送ってくれない? 日本語を勉強してるんだけど、歌詞を全部聞き取れなくて」って。結構ニュージーランドの田舎の方にも日本語を勉強していて、日本語の曲を素敵だと思って意味を知りたい人がいるんだなって思って、朝からうれしくなりました。
JK:そういう曲を世界に広めてください! 1曲でいいから!
(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)