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【静岡の高校サッカー戦後史Vol.78】1971〜73年度の浜名、元清水エスパルスGMの久米一正らを擁した時代

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【浜名⑤】8強の壁 総体連覇逃す

※2011年3月〜11月に「静岡の高校サッカー 戦後の球跡」のタイトルで静岡新聞に掲載した連載を再掲しています。年齢等も掲載当時のままです。静岡サッカー応援アプリ「シズサカ」でまとめてご覧いただけます。

1971年度全国総体準々決勝の初芝戦に臨む浜名の面々=徳島市城東中グラウンド 


1971年(昭和46年)度の全国総体は、徳島県が舞台だった。浜名は前年の覇者として推薦出場し、V2を目指して阿波路に向かった。

GKの青山正志(JT)、FBの馬淵剛行(日立製作所)大村嘉宣(グリーンワークス)、FWの内山功(ウチヤマ空調設備)沢柳光雄(現・美野、岩手県大船渡市在住)ら、前年度の主力組がそっくり残った。守護神の青山が大会1カ月前の練習中に負傷し、戦列を離れることになったが、監督の美和利幸(浜松市南区在住)は、連覇へ不安を抱かなかった。

準々決勝で初芝に1−2

初戦(2回戦)の六甲(兵庫)戦は先制されたが、鈴木久雄(東京都江東区在住)と内山のゴールで2−1と逆転、点差以上の内容で退けた。3回戦は韮崎(山梨)の堅守に苦しんだが、終了寸前、馬淵のFKのこぼれを大村が決め、1−0でベスト8に進出した。

準々決勝は初芝(大阪)と対戦した。延長にもつれ込む接戦となったが、不運な判定もあって1−2で競り負け、連覇は消えた。

夏の借りは冬に―と臨んだ選手権県予選は、最終関門の4校による決勝リーグに進んだ。だが、藤枝北、清水商、藤枝東との対戦は全て引き分け、3位にとどまった。大村は「最初の引き分けで歯車が狂った感じがした」といい、内山は「われわれ3年生の間に、総体で一段落といった雰囲気があった」と当時を思い起こす。

「強いからといって勝てるものではない」

翌72年度、さらに73年度と2年連続、全国の舞台から浜名の名が消えた。とりわけ、73年度は総体、選手権とも県予選決勝に進出しながらの敗退だった。総体は再試合にもつれ込む激戦の末、自動車工(現・静岡北)に、選手権は藤枝東に代表の座を奪われた。

72年度は鈴木、73年度は久米一正(J名古屋GM)金原克教(本田技研)ら、後の日本リーグ(JSL)組を擁しながらも、県予選を突破できなかった。全国一になってもおかしくない―と見ていた美和は、「強いからといって勝てるものではない」と、勝ち抜くことの厳しさを痛感させられる。

2年連続、全国行きは逃した。しかし、サッカー部の頑張りは学校全体に変化をもたらした。特に、70年度の全国制覇を境に、在校生の表情が変わり、周囲の認知度も高まった。当時、在籍した元教師は「いまなら、さしずめ偏差値が上がった―と言うのだろうが」と、“サッカー部効果”を感じ取ったという。(敬称略)

 【1971年度全国総体準々決勝先発】

GK
山下正治

FB
大村嘉宣
川合啓夫
馬淵剛行
河村善昌

HB
鈴木好之
杉浦一男

FW
鈴木久雄
久米一正
沢柳光雄
内山功

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