日本で流通している鯖は何種類?見分け方や味わいの違いを比較
日本で流通している鯖は3種類
マサバ
日本で一般的に「鯖」と呼ばれるのが「マサバ」です。ゴマサバと区別するために、「平サバ」や「本サバ」と呼ぶ地域もあります。
マサバはハワイ諸島やカリフォルニア沿岸など広く分布していますが、日本近海では太平洋南部沿岸から千島列島沖合と、東シナ海南部から日本海北部の温暖な海流に沿って回遊しています。春になると北上し、秋に南下することが多く、脂をたくわえた冬のマサバは特においしいといわれていますよ。
体は細長く、ゴマサバにくらべるとやや平らです。体長は最大50cmほど。背中は青緑色で黒い波模様が入っています。腹側には模様はなく、白っぽい銀色です。
ゴマサバ
ゴマサバは、北海道南部以南の日本近海で回遊しています。夏に漁獲量が増えるのが特徴で、一年中獲れるものの味が良いのは脂がのった冬といわれています。
体は細長く、体長は30~50cmほど。断面は円形に近いです。青緑色の背中に黒い波模様が入っているのはマサバに似ていますが、腹側にゴマのような薄い斑点模様があります。
断面が円形であることや、マサバと区別するために「マルサバ」と呼ばれることも。一般的にマサバにくらべて脂が少なく、あっさりとした味わいです。
ノルウェーサバ(タイセイヨウサバ)
マサバやゴマサバにくらべると安価で流通しているのが「ノルウェーサバ(タイセイヨウサバ)」です。ノルウェーおよびアイスランド以南からノースカロライナ州以北などにかけて分布しています。日本には、主にノルウェーで漁獲されたものが輸入されることから「ノルウェーサバ」と呼ばれています。
マサバにくらべて頭と口が大きいのが特徴。背中に太いしま模様があり、マサバやゴマサバと見分けやすいです。
日本に輸入されるノルウェーサバは、脂がのり、味が良いことから塩鯖に加工されていることが多いです。
主な鯖の特徴一覧
種類 / 産地 / 模様 / 味わい
マサバ / 太平洋南部沿岸から千島列島沖合と、東シナ海南部から日本海北部 / 背中は青緑色で黒い波模様腹側には模様はない / 冬は脂がのっている
ゴマサバ / 北海道南部以南 / 背中は青緑色で黒い波模様腹側にゴマのような薄い斑点模様 / 冬は脂がのっているマサバにくらべて脂が少なく、あっさり
ノルウェーサバ(タイセイヨウサバ) / ノルウェーおよびアイスランド以南からノースカロライナ州以北 / 背中に太いしま模様 / 脂がのっている
高級な「ブランド鯖」の種類は?
※画像はイメージです
関さば
ブランド鯖の代表ともいえるのが「関さば」です。大分県と愛媛県の間にある豊後水道で獲れたマサバのうち、「大分県漁協佐賀関支店」に所属する漁師が一本釣りしたものだけが関さばに認定されます。
関さばは回遊せず、豊後水道に居ついている点も特徴のひとつ。潮の流れが速くプランクトンが豊富な豊後水道で育つため、身が引き締まり、脂のりが抜群と高く評価されています。特に12月~3月の関さばは特に美味と評判ですよ。
金華さば
「金華さば」は、宮城県石巻市の金華山沖で漁獲されて石巻港に水揚げされた大型のマサバのなかでも、鮮度や大きさ、脂ののりなど「金華ものブランド化事業推進委員会」が定めた基準をクリアしたものだけが名乗れるブランド鯖です。
石巻港で水揚げされた鯖のうち、金華さばに認定されるのは10%以下という希少さも人気の理由です。一般的なマサバにくらべて甘みと旨みが強いのが特徴。旬は9月~1月で、この時期の金華さばは特においしいといわれています。
松輪さば
「松輪さば」は、神奈川県三浦半島にある松輪地区で一本釣りし、水揚げされたマサバのこと。釣り上げたあとは手を触れず、鮮度を保っているのが特徴。出荷直前まで生きているため、生食できるほど新鮮なんですよ。なかでも、脂をたくわえた10月~12月の松輪さばは絶品です。
種類ごとに違う鯖を味わってみて!
ひとことで「鯖」といっても種類によって、見た目や味わいが違います。日本で流通しているマサバとゴマサバは、どちらも脂のりがよく手に入りやすいものの、あっさりしているのはゴマサバのほう。料理や好みにあわせて使い分けると、よりおいしくいただけます。
マサバは、水揚げされた場所や大きさなどの基準をクリアするとブランド鯖に認定されます。高級品としても知られる関さばや金華さばなどは、ギフトにも最適ですよ。ぜひ、種類ごとに違う鯖を味わってみてくださいね。
ライター:とも(子育てフードライター)