16本の縞模様が美しい<アカクラゲ> 別名が<ハクションクラゲ>の理由とは?
数多くのクラゲのなかに、16本の縞模様が特徴のアカクラゲというクラゲがいます。
このアカクラゲ、実は少し変わった別名があるのです。アカクラゲを実際に見ることができる水族館と共にご紹介します。
アカクラゲの特徴は?
アカクラゲの特徴といえば、何と言っても16本の縞模様。
この放射状の縞模様があれば、真っ先にアカクラゲと判断することができるといっても過言ではないでしょう。
でもこの縞模様、実は生まれた直後は見られません。生まれた直後のアカクラゲは半透明です。
成長すると共に触手が褐色化されていき、次第に薄いピンク色に変化し、水族館でよく見るアカクラゲの姿へと変わっていきます。成長を見ながら色の変化が楽しめるのも、アカクラゲの魅力といえるでしょう。
またアカクラゲのもう1つの特徴は、長い触手。この触手の長さは最大で2メートルになります。
しかも、この触手には毒針があるため、刺されると猛烈な痛みを伴うので注意が必要です。
アカクラゲの別名の由来は“くしゃみ”
アカクラゲには毒を持つ触手がありますが、基本的に触らなければ刺される心配はありません。
しかし、アカクラゲが海岸に打ちあがったときに乾燥した毒針の粉が宙を舞い、これが人間の鼻の中に入ると何度も何度もクシャミを引き起こしてしまいます。このことからアカクラゲは、「ハクションクラゲ」という別名を持つようになりました。
また、本当かどうかは分かりませんが、戦国武将の真田幸村(信繁)がアカクラゲの毒針の粉を敵に投げつけてクシャミを引き起こさせたという伝説から、「サナダクラゲ」と呼ばれることもあります。
アカクラゲが見れる水族館はどこ?
では、アカクラゲはどこで見られるのか。
目の前でアカクラゲを見ることができる代表的な水族館は、鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)、名古屋港水族館(愛知県名古屋市)、鶴岡市立加茂水族館(山形県鶴岡市)の3か所です。
鴨川シーワールドでは、房総半島で確認されたアカクラゲを展示しているだけでなく、「Kurage Life(クラゲライフ)」という展示施設もあり、アカクラゲの生態や種類について紹介されています。
名古屋港水族館では、「くらげなごりうむ」というエリアで多数のアカクラゲが展示されています。ライトに照らされたアカクラゲが、なんとも幻想的で美しいです。
鶴岡市立加茂水族館では、庄内浜で確認されたアカクラゲが展示されています。
水族館でアカクラゲを見てみよう!
別名「ハクションクラゲ」と呼ばれるアカクラゲは、触手に毒針を持つクラゲ。しかし、水槽内で長い触手を放射線状に描く姿は、まるでアートだと筆者は思います。
ぜひ水族館でユラユラと泳いでいるクラゲを見てみてください。
(サカナトライター:米澤菜保)