瀬谷区 KC(キッチンカー)で温かい食事を 民間企業と炊き出し協定
瀬谷区役所は3月4日、災害時のキッチンカーによる炊き出しなどの協定を、移動販売などを手がけるキナリノ縁(ワ)(株)(清水麻美子代表取締役/大和市)と締結した。
同社はキッチンカーのプロデュース業務も行っており、1月末時点で136事業者が登録されている。協定では区からの要請に基づき、地域防災拠点や指定緊急避難場所などで炊き出しを行うほか、調達可能な物資を供給する。両者は防災訓練など災害時以外でも連携を深めていく方針だ。
同社では能登半島地震の際に炊き出し支援を2回行ったが、被災地と接点が無く、迅速に活動できなかったという。この経験から自治体との連携を模索し、昨年9月に大和市と協定を結んだ。
同社は「せやマルシェ」に出店するなど瀬谷区とも接点があり、協定を打診。区も温かい食事は避難生活中の健康維持につながるとして締結することになった。
締結式で清水代表は能登半島の被災地支援を振り返り、「すぐに行動できないもどかしさがありました。何かあってからでは遅く、事前に備える必要性を感じました」と協定の意義を強調。植木八千代区長も「食べることは健康の基本。避難生活が長期化した場合、日常生活と同じものを食べることが安心につながります」と話した。