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秋こそ“デカニジ”の季節!エキスパートが明かす、大型トラウト攻略法【北海道・十勝】

つり人オンライン

十勝川支流の中規模河川をメインにニジマスをねらっている白土高利さんは、秋こそ大型に出会えるチャンスという。 どんなタックルや戦略で挑むか、これまでの実績をもとに紹介いただいた。

Photo & Text by Takatoshi Shirato (North Angler’s)
白土高利(しらとたかとし)プロフィール:15年ほど前に札幌から帯広に移り住み、休日は川に通う
のがライフワーク。“デカニジハンター”の愛称で親しまれる

秋の大型トラウト狙いのタックル

北海道はトラウト天国と呼ばれるように、大型が各地域に生息している。トラウトをねらうアングラーは大もの志向が強く、1cmでも大きな魚を釣りたいと願う。私もそうしてフィールドに通っているアングラーの一人だ。

メインターゲットは十勝が誇るワイルドレインボー。産卵を終えてエサを活発に捕食し、徐々にコンディションを回復させる6〜7月を〝ファーストハイシーズン〞とするなら、9〜10月はいわば〝セカンドハイシーズン〞。夏に栄養価の高いタンパク源をたくさん蓄えたデカニジのパワーは凄まじく、ファーストシーズンよりも激しいファイトで抵抗する。よほど条件が悪くなければ、迷わずフィールドを目指そう!

シーズンを通じて十勝川支流の小〜中規模河川をメインフィールドにしている私は、5フィート後半から7フィート台のスピニング、ベイトタックルを使い分けている。具体的なアイテムは別項のとおりだが、『リズモC511L』は小河川限定で、中河川なら6フィート以上の最低Mクラス、増水時や大ものヒット率が高い状況ならMHクラスを用いる。 スピニングもベイトもメインラインはPEだが、前者は1号、後者は1.5号が基準。どちらもリーダーは、超大ものが掛かっても切られる心配が少ないナイロン14ポンドを70cmほど接続している。

確実にランディングするため、後悔のないタックルを選びたい。 以下、主な使用タックル
●スピニングロッド
・H.A.L『リズモS63ML』
・テイルウォーク『ケイソン  ランズバックS63M』
●ベイトロッド
・H.A.L『リズモC511L』
・テイルウォーク『ケイソン  ランズバックII C70MH』
●スピニングリール
・シマノ『ステラ C3000SDHHG』
・テイルウォーク『ケイソン  スピーキー2500SXGX』
●ベイトリール
・シマノ『アルテバランBFSXG』
・テイルウォーク『ケイソン  エランマイクロチューン73L』
●ライン
・バリバス『マックスパワー PEX8 ライムグリーン』1または1.5号
●リーダー
・バリバス『スーパートラウト アドバンス エクストリーム ショックリーダー ナイロン』14lb

大型トラウトが潜む好ポイント3選

秋シーズンに大型トラウトを狙う際、積極的にキャストしたいポイントは以下の通り。

ブレイク

秋シーズンに釣果を伸ばすにはブレイク(カケアガリ)に着目したい。急に水深が深くなる場所を示すが、大型はブレイクに定位してエサが流れてくるのを待ち構えている。絶対に外せない一級ポイントだ。周りに身を隠せる場所が少ない場合は、たくさんの魚がブレイクに付いていることが多い。とくに大型は最も居心地がよいと思われる特等席(主に流心)に陣取っている。気を抜かずにアプローチしたい。

ボサ下

ボサ下とは、川岸から水面にせり出している草の茂みや、木の枝下などの場所を示す。そのなかでも水流で深く掘れているスポットに大型が潜んでいる。比較的流れは穏やかでエサとなる虫が落下したり、鳥などの外敵から身を守れる格好の隠れ家でもあり、ブレイクと並ぶ有望ポイント。ボサ下をトレースするには正確なキャスト技術が求められる。

ボサ下は外敵から身を隠しやすいだけでなく、落下昆虫を主体としたエサが豊富な好ポイント

ストラクチャー

魚が身を隠せる障害物を示す。倒木や石などの自然の障害物を〝ナチュラルストラクチャー〞、ブロックや橋脚などの人工物を〝マンメイドストラクチャー〞と呼ぶ。いずれも大ものが潜んでいる可能性大、油断は禁物だ。 これらのポイントで有効な一本が、ヘビーシンキングミノーの『月虫55(激沈)』。丸みを帯びたぽっちゃりボディーから繰り出されるド派手なブリアクションは、全道各地のデカニジを魅了し続けている。限定カラーで、私がプロデュースした「白土ブラキン・ヤマメ」は推奨したいカラー。ブラウン&ゴールドの色彩が弱ったヤマメに見えたり、あるいは虫をイメージし、フィールドを選ばずに好釣果が出ている。

対岸の消波ブロック際に加え、手前のブレイクも有望な複合ポイント。大ものの気配が漂う

おすすめのルアー

秋に使うルアーは、低いレンジを攻略できるアイテムを持っておきたい。

ミノーはMDという選択肢

トラウトルアーでヘビーシンキングミノーが主流になって久しいが、ポイントにより届かない場面もある。そんなときは一段下のレンジにアプローチできるミディアムディープ(MD)シンキングミノーの出番。とくに秋は天候の変化(台風や豪雨)で、状況が大きく変動することが多い。いかにも釣れそうな場所では、すぐにあきらめずにレンジを下げると大ものが顔を出してくれることも……。『月虫66MD(沈)』はアピール力が高く、不規則なダートアクションがデカニジの戦闘力を刺激してくれる。

ミディアムディープのシンキングミノー『月虫66MD(沈)』でキャッチした、よい面構えのニジマス

スプーンの重要性

スプーンの釣りは実に奥が深い。秋は日を追うごとに水温が低下し、シーズン後半は活発にルアーを追うことが少なくなる。そうなるとデカニジは、川底にべったりと張り付いてエサを待っているようだ。そこでは安定して川底を探れるスプーンが効果を発揮する。 愛好者は「スプーンを転がす」と表現するが、実際に川底を転がしているわけではなく、川底ギリギリをリフト&フォールで釣っている。目の前をスプーンがユラユラ動いていると、魚は思わず食いついてしまうようだ。

スプーンはどのくらいのレンジを泳いでいるのか把握しにくく、数あるタイプのなかでも難易度の高いルアー。そんななか『マスケグ』は沈下スピードが速く、重い流れでも浮き上がらずに潜行する。これまで辿りつけなかった未知のエリアを攻略できるおすすめの一本だ。

写真上段左から、H.A.L『月虫55(激沈)』8gの白土ブラキン・ヤマメ、同『月虫66MD(沈)』8gのヤマメ。写真下段左から、ノーザンライツ『マスケグシェル』5.3gと12.8g

安全に楽しむために

渓流釣りでの事故件数が多いのは「転倒」。そこで入川する前、必ず行なってほしいのはウエーダーのエア抜きだ。ウエーダーを履いたらベルトを締める前に、その場で一度しゃがんで内部に溜まっている空気を放出したい。それから腰ベルトをしっかりセットするとウエーダー内の空気が少なくなり、ペタっと脚に収縮される。これで川歩き中に転倒したとしても、足もとが浮き上がりにくくなる。徒渉時も重い水流に負けることなく歩行しやすい。

しゃがんで内部の空気を放出

エア抜き後、ウエーダーは脚に張り付く

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