新幹線「ドクターイエロー」が縦に並んだ!大盛況の「浜松工場へGO」ツアーをレポート
静岡県浜松市にある新幹線の車両工場を見学する人気企画、「浜松工場へGO」ツアーが19日から始まりました。
イベントの目玉は、新幹線電気軌道総合試験車「ドクターイエロー」。およそ10日に1回営業線を走行し、電気設備や軌道設備の状態をチェックする「新幹線のお医者さん」です。運行予定は公開されておらず、出会う機会もなかなかないことから「見ると幸せになる」という都市伝説もあり、大変人気の高い車両として知られています。
ドクターイエローは現在JR東海・JR西日本が1編成ずつ保有していますが、JR東海のT4編成は来年1月に、JR西日本のT5編成は2027年以降を目途に引退する予定です。今回のイベントでは、そんなドクターイエローが2編成とも展示されるということで、計4000人分(2日間)の申込枠が完売。初日から大勢の家族連れや鉄道ファンで賑わいました。
イベントではドクターイエローの展示のほかにも、トラバーサーを使った新幹線車両の移動、全般検査中の新幹線車両の様子など、新幹線の「普段は見られない姿」がお披露目されました。
またジェイアール東海バスも10月から期間限定で運行している「ドクターイエローバス」を展示。三菱ふそうの「エアロエース」をドクターイエローと同じカラーでラッピングしたもので、現在はX(旧Twitter)で写真投稿キャンペーンを展開しています。
ドクターイエローの引退後、その役割は検測用の機器を積んだ営業用の車両が担うことになります。トロリ線の摩耗状態や高さ、レールに流れるATC信号の受信レベルなどの確認はすでに始まっており、2027年以降は軌道の形状やパンタグラフの挙動などの検査も行うようになります。取得できるデータはドクターイエローと同等以上、かつ高頻度で検査を行えるようになるため、安全性や信頼性の更なる向上のほか、保守作業の省力化も見込めるということです。