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サントリーとの提携40周年 ――DBRラフィット社のサステナブルなワインづくり①

ワインバザールニュース

サントリーは2025年2月26日、パレスホテル東京(東京都千代田区)にて、ドメーヌ バロン ド ロートシルト ラフィット社(Domaines Barons de Rothschild Lafite)のサステナブルなワインづくりに関するセミナーを開催した。

同セミナーでは、サントリー ワイン本部 輸入ワイン戦略部長の新村聡氏とDBRラフィット社のオーナーでCEOのサスキア ド ロスチャイルド氏が登壇し、2025年で40周年を迎える両社の提携の歴史や、サントリーと同様にサステナブルなワインづくりを進めるDBRラフィット社の取り組みが語られた。

本記事では、両社の提携とDBRラフィット社の歴史、2024年に取得したドメーヌ ウィリアム フェーブル(Domaine William Fèvre)について紹介する。

(左から)ドメーヌ バロン ド ロートシルト ラフィット社オーナー兼CEOのサスキア・ド・ロスチャイルド氏、サントリー(株) ワイン本部 輸入ワイン戦略部長の新村聡氏

提携から40周年

サントリーとDBRラフィット社が提携したのは1985年。サントリー社長の佐治敬三氏とDBRラフィット社のオーナー、エリック ド ロスチャイルド氏がフランス・ボルドーで出会い、業務提携を結んだ(両氏とも肩書は当時のもの)。

2025年には、両社は提携40周年を迎える。現在、サントリーと同社グループ会社でワインの輸入、販売をしているファインズは、DBRラフィット社が世界で展開する全10ワイナリーから70製品を輸入している。

2024年にDBRラフィット社はブルゴーニュのドメーヌ ウィリアム フェーブルを取得した。同ドメーヌは長らくサントリーグループが取り扱っていたワイナリーでもあり、新村氏は「今後一緒にブランドをつくっていけることは喜ばしいこと」と語った。

DBRラフィット社の歴史

父であるエリック氏からワインやぶどう栽培に対する熱い情熱を受け継いだというサスキア氏は「ワインは私にとって家族の歴史、家族の物語です」と話す。

DBRラフィット社の歴史は、1855年のメドック格付け第1級シャトーのシャトー ラフィット・ロートシルト(Château Lafite Rothschild)をジェームス ド ロスチャイルド男爵が1868年に取得したところから始まる。その後、1960年代からエリック氏らがさまざまな場所を訪ねて、良いワインができそうだと心に響く土地を、時には直感で見つけては少しずつ取得してビジネスを世界に広げていった。現在では、フランス以外にチリやアルゼンチン、中国にもぶどう畑を取得している。

シャブリのドメーヌを取得

サスキア氏によると、父エリック氏は典型的なボルドー人でワインと言えば赤、赤ワインが大好きな人だという。近年は若い世代を中心に白ワインを好む人が増えていること、サスキア氏自身もシャブリの白を愛していることもあり、ブルゴーニュのドメーヌ ウィリアム フェーブルを取得するに至った。父たちのように、畑を見て心にぐっとくる直感のような思いがあり、取得を決めたという。

取得に当たっては、DBRラフィット社と同様に、ウィリアム フェーブルも家族経営のドメーヌであったこと、環境に配慮したぶどう栽培やサステナブルなワインづくりをしていることにも惹かれた。醸造責任者のディディエ セギエ氏をはじめ、多くの人が力を合わせておいしいワインをつくっている。

ドメーヌ ウィリアム フェーブルのぶどう畑。サスキア氏(左)と醸造責任者のディディエ セギエ氏

グラン・クリュ(特級畑)、プルミエ・クリュ(一級畑)からつくられる高品質なワインだけでなく、手頃に楽しめるワインも品質に定評のある同ドメーヌでは、高価格帯から試しやすい価格までさまざまな白ワインを展開できる。「いろいろな層のお客様にワインを楽しんでいただきたいというのが、私たちの大きな思いの1つです」とサスキア氏は語った。

次回の記事では、ドメーヌ ウィリアム フェーブルのサステナブルなワインづくりと、地層のミネラル感を反映したシャルドネ100%の白ワイン「シャブリ グランクリュ レ クロ ドメーヌ ウィリアム フェーブル 2018」を紹介する。

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