ルーカスフィルム社長キャスリーン・ケネディ、年内の退任を否定「私が決めます」 ─ 引退説も否定「映画を作りながら死ぬ」
『スター・ウォーズ』ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長は米のインタビューに応じ、2025年内に同社社長職を辞するとのを事実上否定した。
先の報道では、独立系メディアの米Puckがケネディの年内引退説を伝え、その後The Hollywood Reporterなど大手メディアも続いていた。これを受けて、ケネディの後任としてルーカスフィルムを率いるに相応しい後継者候補を挙げる議論がしていた。
しかしケネディはこの度、「年内にルーカスフィルムを退任するのか」との問いに「現時点では本当に分かりません。たくさんのことが動いているから、わからないのです」と回答し、2025年内との時期は決まっていないとした。
また、一部で"引退"と報じられたことについては明確に否定。「本当のこととしてハッキリ申し上げたいのは、私は引退しないということです。私が映画業界から退くことはありません。映画を作りながら死ぬつもりです。それが大事なこととして最初に言いたいことです。私は引退しません」と主張した。
ケネディ退任説は過去数年の間にも何度か持ち上がっている。The Hollywood Reporterは、ルーカスフィルム内で後継者育成がきちんと行われていなかったがために、彼女が留まり続けることになっていたとの情報を伝えていた。この点についてもケネディは否定しており、「ルーカスフィルム内では、私がボブ(・アイガー、ディズニーCEO)とアラン(・ホルン、ディズニー会長)の両者と、将来的な候補者がどうなるかについて、長い間話し合っています」とコメント。過去の引退報道についても「完全なる噂話」だとし、「そういう報道を通じても、私はただ自分の仕事を続け、契約を続けてきました。何もおかしなことはありません。そういうのはただの作り話です」と断じた。
この度の引退報道が混乱を巻き起こしているようだと問われると、「混乱ですか?混乱なんて一度もございません。私たちは計画を明確に持っています」と答えている。
ケネディは今後も「続投」するとし、「私は今『マンダロリアン』映画をプロデュースしていますし、その後のショーン・レヴィの映画もプロデュースしています。ですから私はルーカスフィルムに残り、ボブやアランと一緒に、後任についてよく考えます」と明かした。「そういうことが進行中です。私たちには発表したい時に発表する権利があるわけです」。
『マンダロリアン&グローグー』は2026年5月US公開で、レヴィの映画はさらに先になるだろう。つまるところケネディは、少なくとも今後数年間は引き続きいくつかの『スター・ウォーズ』作品に携わることになる。
一方、後継者探しも進める。「当然のことながら、私が永遠にここにいるわけではありません。13年前にジョージが私に就任を要請し、そして今は私が自分の代わりを探しているのです」「素晴らしい候補者がたくさんいます。数ヶ月後、あるいは1年後に発表するつもりです」。
後任にはなどを手掛け、"ジョージ・ルーカスの一番弟子"とも呼ばれるデイヴ・フィローニが最有力と囁かれているが、ケネディは明言を控えた。「大企業や上場企業の内部事情ということになるわけですから、誰がとは言えません。取引についてや決断の最終決定、発表内容についてはそういうものです。これは何も珍しいことではありませんし、私たちはそのプロセスにいます」。
また、興行的な不振や不評のために追いやられ、代役の必要にかられたのではないかとする言説についても「そういうことは絶対にありません。それ以上事実と異なることもありません」と明確に否定。「ルーカスフィルム内で動いているものは全て、ディズニーと足並みを揃え、コミュニケーションを取っています」。
結局のところ、ケネディは退任の具体的な予定や時期を明らかにしていない。その決断は誰が下すのかという問いには「私自身です」と答えている。「私が決めることです。100%、私の決断です」。
今後数年間も引き続き『スター・ウォーズ』作品のプロデュースを続けるというが、後継者探しとは引退に向けた準備である。一つ参考になるかもしれないのがエイミー・パスカルの例だ。パスカルは2015年までソニー・ピクチャーズの会長を務めていたが、2014年に発生したハッキング事件の責任を取って辞職。以降は自身の製作会社パスカル・ピクチャーズを通じて、今も『スパイダーマン』関連作品のプロデュースを続けている。
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