山と溪谷社、「日本山岳遺産」2025年度の候補地と助成団体を公募開始。応募締切は8月末
登山道整備や環境保全に取り組む団体を対象に、総額250万円の助成と広報支援を実施。地域の山を未来へつなぐ取り組みを応援。
「山を守る活動」に、資金と光を届ける制度
山岳・自然分野を専門にする山と溪谷社と、インプレスホールディングスが共同で運営する「日本山岳遺産基金」が、2025年度の助成先団体および山岳遺産候補地の公募を開始した。受付は8月31日まで。
この基金は、日本各地の山に根ざした環境保全や登山道整備、文化継承などの取り組みを支援する目的で2010年に設立。これまでに51団体に累計2,800万円超を助成してきた。
認定の対象は「山を想い、手を動かす」団体
助成対象となるのは、特定の山域で3年以上にわたり継続的な保全・整備活動を行っている法人または任意団体。助成金は物品購入や旅費、資料印刷、専門家の謝金など幅広い用途に充当できる。
認定の可否は、提出書類とアドバイザリーボードの意見をもとに事務局が判断。実施期間は2026年4月〜2027年3月を予定しており、発表は2025年10月下旬となっている。
山の未来は、地に足をつけた活動に支えられている
登山者人口の増加とは裏腹に、山を守る現場の担い手は限られている。そんななかで、このような助成制度は、活動を続けるモチベーションにも、世間の注目を集めるきっかけにもなる。
地元の自然と文化を、自分たちの手で守ろうとする団体の存在は、日本の山岳文化にとって欠かせないインフラだ。その価値をどう社会と共有していくか——この制度はその問いに対する、ひとつの具体的な応答でもある。
日本山岳遺産 申請概要
支援対象となる団体:
・特定の山もしくは山岳エリアにおいて、山岳環境保全や登山道整備などの活動を3年以上行っている団体。
・支援対象事業の実施状況および予算・決算などの財政状況について、当基金の求めに応じ適正な報告ができる団体。
・法人格を有する団体。または、これと同程度に社会的な信頼を得ている任意団体。
対象となる活動の期間:2026年4月1日~2027年3月31日
助成金額:総額250万円(予定)
助成対象となる活動費の用途:
・2026年度の活動に使用するもの。
・資材・物品の購入など。またはこれらの修繕などの経費。
・専門家への謝金等。
・旅費・交通費、宿泊費、食費、通信連絡費、現地事務所の光熱費等の経費。
・資料の翻訳、印刷、出版等に係る経費。
助成金の送金: 2026年3月末日までに指定の振込口座に振り込み。
申請方法: 日本山岳遺産基金のウェブサイト内「2025年度候補地の募集」にあるアンケートフォームに回答し、申請書類(Wordファイル)をダウンロード。申請書類に必要事項を記入の上、当基金事務局宛にメールまたは郵送で送付。
申請書類締切日: 2025年8月31日(消印有効)
審査期間: 2025年9月1日~9月30日(予定)
発表: 2025年10月下旬(予定)
詳細リンク:https://sangakuisan.yamakei.co.jp/isan-kikin/entry.html