新菱冷熱工業、BIMを活用したDXの取り組み
10月14日放送の「L is B presents 現場DX研究所」(文化放送 毎週月曜日20:00~20:30)は、新菱冷熱工業株式会社のデジタルトランスフォーメーション推進本部 デジタル推進企画部 施工プロセス課 小菅太郎氏と金山愛由美氏をゲストに迎え、DXで特に力を入れた取り組みについて詳しくお話いただいた。
松井佐祐里アナ(パーソナリティ)「まずは、企業プロフィールをご紹介致します。新菱冷熱工業株式会社は、1956年に創業しました。空調、電気、給排水衛生、コージェネレーションなどの総合的な環境づくりを担う、環境エンジニアリング企業です。特に地域冷暖房システムにおいては国内シェアNo.1を誇り、経営ビジョン“さわやかな世界をつくる”のもと、国内外で数多くのビッグプロジェクトを手がけています」
L is B代表・横井太輔氏(パーソナリティ)「DXで特に力を入れる取り組みについて教えてください」
新菱冷熱工業株式会社のデジタルトランスフォーメーション推進本部 デジタル推進企画部 施工プロセス課 金山愛由美氏「イノベーションハブ新本館の建設です。この施設は、茨城県つくば市に建てられた当社の研究施設です。当社は、1970年に品川区の大崎に業界初の技術研究所を設立しまして、1990年に、つくばへ移転し中央研究所として研究活動を行ってきました。その後に、2022年にイノベーションハブへ改称しました。この名前は、多外部の方々ともコラボしながら、イノベーションを起こす場所としての想いを込め改称しました。この施設では、多くの脱炭素技術を新たに開発・導入し、温室効果ガス削減に挑戦しています。具体的には、2030年には研究開発活動からの排出する温室効果ガス排出量を実質0にすることを目指しています。この新本館ではZEB認証を取得し、さらにBELS最高ランク5つ星を取得しています」
松井「ZEB認証のZEBとはどういう意味ですか?」
金山「ZEBというのは、建物で消費する年間エネルギー量の支出をゼロにすることを目指した建物です。省エネ活動で使うエネルギーを減らして、例えば太陽光パネルを使用して建物でエネルギーを作ることで、エネルギー消費量を正味ゼロにすることができる建物のことをいいます」
横井「使った分の電気は、自分のそのビルの上の太陽光パネルで発電をしているということですよね。施工時にこれを導入した取り組みについて教えてください」
新菱冷熱工業株式会社 デジタルトランスフォーメーション推進本部デジタル推進企画部 施工プロセス課・小菅太郎氏「こちらは自社施設で、失敗を厭わず多くの新しい取り組みにチャレンジしたものになります。まず挙げさせていただきたいのは、BIM(ビルディング インフォメーション モデリングの略)を最大限活用したという点です。国交省で、2020年から2022年度までBIMの導入の効果検証や課題分析に取り組む事業者に対して、補助モデル事業を行っていました。その中で、当社は建設工事の発注者と施工者におけるBIM活用のメリットや課題抽出をテーマに、設備工事会社として唯一3年連続で採択されました」
横井「唯一ですか!すごいですね」
小菅「施工時においても、BIMを使った効率的な施工をたくさん行っています。例えばBIMのモデル上の部材に納入済とか、未施工といったステータスを付与して、施工現場外からでも工事の出来高の進捗を確認できるようにしました。また、ダクトなどを天井に吊る位置を床面に書き出しておく墨出しという作業を、BIMのデータをロボットに読み込ませることで、その作業をロボットで自動化することにも取り組みました。BIM以外の取り組みだと、現場へ搬入する配管や機器関係など徹底的にユニット化を図り、現場内で行う作業を極力減らしていきました」
横井「外である程度組み立てておいて、現場に持っていって設置するだけみたいな感じですね?」
小菅「そうです。それで、作業員の方の作業も減らせます」
横井「なるほど~」
小菅「他にも顔認証システムと物を利用して作業員の方の入退場管理を行ったり、生成AIを活用して、顔写真が実際に話しているような仕掛けを作って、それを新規入場者の教育に活用したりしてます」