能登地方の魚醤<いしる>は魚介類にぴったり! 石川県輪島市の地元民直伝レシピ3選
「いしる」とは何か知っていますか?
いしるとは、「能登地方に伝わる魚醤」のことで、イカやイワシなどが原料になっています。「いしり」と呼ばれることもあるそうです。
筆者は日本三大朝市のひとつとして有名な石川県の輪島朝市を訪れた際に購入し、以来すっかり虜になっています。
いしるをもっと美味しく味わいたいという思いから、輪島市に住む地元の方におすすめレシピ3つを聞きました。いしるを手に入れたらぜひ試してみてください!
地元民イチオシ!「いしる鍋」
まず紹介するのが「いしる鍋」。地元の人が「いしるといえばいしる鍋」と口をそろえて言うほど、地元民イチオシの食べ方です。
実際に食べてみると、いしると水だけを使用した出汁なのに、香り高く、かなり味わい深くなりました。美味しく作るポイントは、「旬の魚や野菜を入れること」とのこと。
いしる鍋のレシピ・作り方(2〜3人分)
出汁は、いしる60ミリリットル、水900ミリリットル、日本酒30ミリリットルを用意します。
具は白菜、ニンジン、ネギなどお好みの野菜、シメジ、エノキなどきのこ、そしてエビ、イカ、タラといった魚介をそれぞれ好きなだけ用意しましょう。
まず、いしると水を鍋に入れ、弱火~中火にかけます。煮立ってきたら野菜を入れ、その後、魚介を投入。野菜と魚に火が通ったら完成。普通の鍋と同じく、手軽に作ることができます。
体が冷える日にはとてもおすすめなレシピです。
炒め物の隠し味に!「いしるチャーハン」
海鮮チャーハンにいしるを入れれば、風味がさらに良くなります。それはまさに「いしるチャーハン」と言える一品です。
エビやイカなどが入った冷凍の魚介類ミックスを使っても、いしるのおかげで本格的な味になりました。
いしるチャーハンのレシピ・作り方(2人分)
ごはんや卵、シーフードや野菜、ネギなど、チャーハンの材料をお好みで揃えましょう。味付けは、いしる10ミリリットル、日本酒5ミリリットル、あとは塩コショウや鶏ガラスープの素を適量です。
卵を炒め、いったん皿に出しておきます。その後、チャーハンの材料を炒め、ごはんと合わせましょう。
十分に火が通ったら卵を合わせ、調味料で味付けして完成。いつものチャーハンが一風変わった味に。
日々の献立に悩んだ時のマンネリ解消レシピとしてもおすすめです。
意外な組み合わせ!「いしるのお好み焼き」
地元の方から聞いて、一番驚いたのが「お好み焼き×いしる」のレシピ。最初こそ「お好み焼きに醤油(魚醤)を入れるの?」と思いましたが、これが意外に合う!
マヨネーズとソースはもちろん、ワサビ醤油でも美味しくいただけます。
いしるお好み焼きの作り方(2人分)
お好み焼き粉100グラムであれば、水150ミリリットル、いしる10ミリリットルほど。お好み焼き粉のパッケージに書いてある分量に合わせて調整してください。
ほか、エビ、イカ、アサリなどの魚介類、千切りキャベツ、かつお節や青のり、マヨネーズやソースなど、一般的なお好み焼きの材料を用意します。
材料を全てまぜ、お好み焼きの生地を作り、中火のフライパンに生地をのせて丸くなるように焼いていきます。片面に火が通ったら裏返しましょう。
ひっくり返しながらこげないように両面焼き、火が通ったら完成。ちょっとジャンキーな味で、クセになりますよ。
豚肉を入れたり、明太子や餅を入れたりといったアレンジも楽しめそうな一品です。
いしるは魚介類に合わせやすい
いしるは、魚介類が入った料理に使うのがピッタリ。紹介したレシピのほかにも、カレーや野菜炒めの隠し味、漬物などにも使えるそうです。
ぜひさまざまな料理にいしるを入れて、自分のお気に入りの使い方を探してみてください。
(サカナトライター:井村詩織)