知っておきたい「傷病手当金」もしもの備えに【ファイナンシャルプランナー塚越先生が教える】
書籍『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました』(KADOKAWA)は、お金に苦手意識がある方のための本です。この本では、FP1級を持つ独立系ファイナンシャルプランナーの塚越 菜々子さんの知識の中から、日々の暮らしで「本当にトクする部分」だけを厳選。難しい部分は大胆にカットし、まるで会話するように、誰でも「ざっくり」と理解できるように丁寧に解説されています。寝転んで読めるほどわかりやすいので、忙しい毎日でも無理なく読み続けられるでしょう。お金の知識を身につけて、賢く、豊かな生活を送りませんか?
※本記事は塚越菜々子著の書籍『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました』から一部抜粋・編集しました。
休業中は手当が得られることも
病気やケガで長期間会社を休んだときは、休業中の生活を保障するために、健康保険から「傷病手当金」が支給されます。傷病手当金には、法律で定められた一定の給付である「法定給付」と、各健康保険組合が独自に上乗せして給付する「付加給付」があります。
傷病手当金の法定給付は、病気やケガで会社を3日以上連続して休み、4日目以降も働けず、会社から給与が支払われない場合に支給されます。支給される額は、基準となる標準報酬の日額(12ヶ月間の標準報酬月額を平均して30で割った額)の3分の2の額。通算して1年6ヶ月を限度に支給されます。これに上乗せ、または期間を延長して組合独自の制度がある場合は、付加給付を受けることができます。
個人事業主などの国民健康保険加入者は、傷病手当金の給付を受けることができません。貯蓄や民間の所得補償保険などでカバーしましょう。
傷病手当金が支給される期間
*病気やケガで休んだ期間のうち最初の3日間を「待期」という。会社を連続して3日間休むと待期が完成する。有給休暇や公休もカウントできる。
*傷病手当金は、4日目から支給される。支給される期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヶ月。
傷病手当金の支給要件と金額例
①病気やケガの療養のための休業であること
自宅療養の期間も対象となる。ただし、業務上のケガなどで労災保険からの給付を受けている場合は、傷病手当金を受給することはできない。
②仕事に就くことができないこと
病気やケガが原因の療養で業務ができないことを医師などが証明する必要がある。
③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
連続する3日間の「待期」には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれる。
【傷病手当金の金額例】
休業前の平均給与30万円で60日休業した場合
(30万円÷30)×2/3×60日=約40万円
※傷病手当金は非課税ですが、社会保険料や前年の住民税は支払いが必要です。
☆Check!☆ 入院やケガの際は受け取れる給付金を確認しよう