買い物体験で自立支援 知的障害者の社会参加促す
知的障害のある人に向けた買い物体験講座が3月28日、生活協同組合ユーコープハーモス荏田店で開かれ、当事者とその家族ら30人が参加した。
青葉区自立支援協議会あおばエール委員会とNPO法人ユメソダテ(東京都)の共催で、2年ぶりに開催された同講座。知的障害のある人が日常生活の中で買い物をする際、「支払い」がスムーズにできるかという不安を解消し、金銭感覚を身に付けて自立を支援する狙いがある。
講師を務めたユメソダテの前川哲弥さんは、「やり方さえわかれば、買い物ができるようになる人も多い。自分で稼いだお金を自分で使えるようになると、働く意欲も生まれてくるはず」と話す。
当日は同法人が考案した計算を助けるコインケース「ニコニコイン」やホワイトボードを使って、硬貨の分類や数え方をレクチャー。その後、ユーコープハーモス荏田店の協力でレジ1台を貸し切り、実際に買い物体験を行った。
お気に入りの菓子とジュースを購入した19歳の女性は「講座は分かりやすかった。また参加したい」と話し、一緒に参加した保護者は「レジを優先して使わせてもらえる機会は貴重。本人もとても楽しんで学ぶことができている」と感想を話した。
「できること」増やす
コンパクトな「ニコニコイン」は、溝に挟み込むことで硬貨が落ちにくい設計。側面から見ると人の笑顔に見えることから、前川さんの息子が名付けたという。
前川さんは、「保護者も自分が亡くなったあとを不安に思う人も多いはず。ニコニコインが、自分自身でできることを増やしていく手助けになれば」と思いを語った。