映画やドラマでは、よく聞くけど…具体的には「犯罪心理学」ってなに?【図解 犯罪心理学】
犯罪心理学が扱う対象
「犯罪心理学」と聞くと、凶悪な事件が発生した際に「なぜあのような残忍な犯行を実行するに至ったのか」といった犯人の心理を研究したり、あるいは「プロファイリング」によって犯人の性格や居住地を推定したりする学問というイメージが強いかもしれません。
しかし、このようなイメージは現実の犯罪心理学とは少々異なっています。というのも、犯罪心理学の扱う分野はもっと多岐にわたっており、必ずしも犯人の心理や犯人像を推定するだけの学問ではないからです。
具体的には、人はなぜ犯罪者になるのかを研究する「犯罪原因論」や、心理学の知識を応用して犯人逮捕に役立てる研究を行う「捜査心理学」のほかに、裁判のプロセスに心理学の知識を応用する「裁判心理学」、罪を犯した人物や非行少年をいかに更生させていくかを研究する「矯正心理学」、犯罪者の行動の特徴を調査し、その知識に基づいて効果的な防犯対策を立案する「防犯心理学」なども犯罪心理学の扱う分野となります。
つまり、犯罪心理学とは「犯罪という現象に関するさまざまな問題について心理学的な方法論を用いて研究し、そこで得られた法則を司法や行政に応用していく」学問ということができます。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』