犬にとって『枕』は必要なの?枕を好む理由や使用する際の注意点まで
そもそも犬にとって「枕」は必要なの?
「枕」はわたしたち人間が寝るときに使うものですが、犬の中にも枕が好きな子がいるようです。
しかし、そもそも犬にとって、「枕」は必要なものなのでしょうか。
基本的に必要ではない
結論から言うと犬に枕は必要ではありません。
「うちの子、枕で寝るのが好きなのに…」と少々残念に思う方もいるかもしれませんが、そもそも犬の祖先たちが暮らしてきた自然界に枕は存在しません。
枕という概念自体ないので『寝るときに頭を置くもの』として使っている犬はいないでしょう。
シニア犬や寝たきりの犬にはおすすめ
寝ている時間が長くなるシニア犬や、寝たきりの高齢犬の場合には、枕を使うと良いでしょう。枕を使わせる一番の利点は、床ずれを予防できることです。
また、枕を使うことで目線が高くなります。飼い主さんや家族を見やすくなり、精神的に安心する効果も期待できるでしょう。
犬が「枕」を好む理由
犬に枕は必要ないとはいうものの、好んで使う犬が多いことも事実です。
では、なぜ枕が好きな犬が存在するのでしょうか。
ここからは、犬が「枕」を好む理由について解説します。
飼い主のニオイがするから
嗅覚が優れている犬は飼い主さんのニオイが大好きです。飼い主さんのニオイに包まれると大きな安心感を得ることができ、心身ともにリラックスします。
外出から帰宅すると、愛犬が飼い主の枕を使って寝ていた…そのような経験はないでしょうか。
留守番中に飼い主さんが恋しいあまり、ニオイがついた枕で寂しさを紛らわせていたのかもしれません。そう思うと、愛犬のことが健気でいじらしく感じられますね。
ふかふかの感触が心地よい
犬が枕を好む理由のひとつとして「枕の感触が好きだから」ということが挙げられます。ふかふかして体を寄せるとほんのり温かい枕は、最初は偶然だったとしてもその心地よさに虜になってしまったのでしょう。
しかも、飼い主さんのニオイがついていればなおさら好んで使うはずです。
感触の心地よさという観点では、クッションや毛布なども同じです。特に寒い日は枕にぴったりとくっついて寝る犬が多いのではないでしょうか。
寝る姿勢として楽だから
犬が枕を使う理由に「楽に寝れるから」ということもあるでしょう。「たまたま頭を乗せたら寝心地が良かった」ということは十分にあり得ます。
枕を使うことで頭が動体よりも少し高い位置になるため、寝やすいと感じるのでしょう。中には自分で調節して好みの高さで寝る犬もいるほどです。
犬が「枕」を使用する際の注意点
犬が枕を使うことは、特に避けるべきことではありません。
しかしながら、犬が枕を使う際に注意すべき点も存在します。
ここからは、犬が「枕」を使用する際の注意点について解説しますので、愛犬に枕を選んであげる際の参考にしてくださいね。
アレルギーのある素材は避ける
人間と同様に犬もアレルギーによって様々な症状を引き起こします。
犬が枕を使った後に「手足などの皮膚が赤くなる」「身体を頻繁に舐める」「やたら身体をかく」などの症状が見られたら、それはアレルギー反応かもしれません。
そのまま使い続けると、愛犬のアレルギーは悪化してしまいます。犬によっては特定の物質や素材がアレルゲンとなる場合も。
愛犬に辛い思いをさせないためにも、可能であれば事前にアレルギー検査を行うと良いですね。
こまめに洗濯する
犬が使う枕はこまめに洗いましょう。
ご存じかと思いますが、恐ろしいことに寝具はダニの温床です。わたしたちの寝具だけではなく、愛犬がよく使う枕や犬用ベッド、毛布などもこまめに洗わないとダニのすみかスクが高まります。
愛犬が枕を使用している場合は常に清潔を保つことで、愛犬の健康を守ってあげてください。
犬の体格に合った大きさや高さ
犬の枕は体格に合ったものを選んであげましょう。
大きさや高さが合っていないと、不自然な姿勢で寝ることで身体を痛めてしまう可能性も。特に高すぎる枕は、首へ相応の負担がかかってしまいます。
寝て過ごすことが多いシニア犬は、特に使い心地のよい枕を使ってもらいましょう。固すぎず柔らかすぎず、長く使っても体に負担の少ない枕が良いですね。
まとめ
犬が好んで枕を使う理由は様々です。犬にとって特に必要なものではないとは言うものの、愛犬が枕好きであれば専用の物を用意してあげても良いでしょう。
愛犬の体格に合った枕を選び、常に清潔に使えるようにしておくことが必要です。
枕でスヤスヤ眠る愛犬の横で一緒にお昼寝…そんな最高の時を過ごしてくださいね。
(獣医師監修:寺脇寛子)