【人宿町やどりぎ座最終公演「劇団渡辺版『不思議の国のアリス』」】台本と「雑談」 バランスの妙
静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、7月中旬の閉館が決まった静岡市葵区の小劇場「人宿町やどりぎ座」の最終公演「劇団渡辺版『不思議の国のアリス』」の6月24日上演回。ルイス・キャロル原作、構成・演出劇団渡辺。同公演は7月14日まで。公演日、開演時間などは公式フェイスブック参照。
2018年の同劇場こけら落としの演目。約50人の客演俳優が日替わりで登場する。毎日違う様相を見せる舞台は、小劇場ならではの緊張感と楽屋落ちが共存。初日はお茶会、ハンプティダンプティ、コーカスレースから女王裁判へ。台本とアドリブの境目にその日ならではの「一回性」が浮き上がる。この日は「東京都知事選」「はま寿司」「オランダの空港」など、よく聞けばどうでもいい「雑談」が、実に心地よくちりばめられていた。(は)