大阪府警捜査員300人による41人大捕物で分かった…違法ネットカジノの実態
約300人の捜査員を動員するという、近年まれにみる「大捕物」だった。
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大阪のキタやミナミの繁華街にある違法なインターネットカジノ5店舗で賭博をさせたとして、府警生活安全特別捜査隊は18日、久井遊紀容疑者(43)らグループの幹部3人を含む31人の店舗責任者や従業員を常習賭博容疑で、店にいた客の男女10人を単純賭博容疑で逮捕した。
摘発を受けたのは大阪市北区の「DOUBLE」「JP」と、中央区の「JACK」「ブタマン」「MONACO」の各店舗。
「大阪市内で違法カジノ店がある」
府警に情報提供があり、昨年初めから内偵捜査を開始。捜査を続けるうちに従業員から、「今日はいっぱいやから、こっちの店はどうですか」と別の店舗を紹介され、系列店が5店あることが判明した。
「店舗をはじめ、従業員の自宅や所有している車、服のポケットの中まで令状を取り、計112カ所をガサ入れし、パソコン55台、現金合わせて5300万円を押収した。グループは反社やトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)とつながりがあり、売上金が暴力団組織に流れていたとみて実態解明を進める」(捜査事情通)
■二重扉に複数の監視カメラを設置
違法ネットカジノは客が店からポイントを購入するシステム。店内に設置されたパソコンを使い、「iGaming(アイゲーミング)」などのオンラインカジノサイトに接続。スロットやバカラ、ブラックジャック、ポーカーに興じ、バクチで獲得したポイントを店内で換金していた。5店舗それぞれに10台のパソコンが置いてあり、1台のホストパソコンで客のポイントを管理していた。
各店舗とも24時間営業の会員制。店舗はすべて雑居ビルの3階か4階にあり、店の周囲には要塞のように複数の監視カメラが設置され、出入り口は二重扉になっていた。店舗名を記した看板はなく、客は店頭で身分証明書を提示しなければ入店できない。
「店側に少しでも怪しまれたらすぐに店を畳んでトンズラされるので、捜査は1年以上かけて慎重かつ入念に金の動きを追っていった。振り込みだと証拠が残るから、すべて現金でやりとりをしていた。違法カジノ店は摘発してもなかなか経営者レベルまで行き着かず、店長か統括責任者をパクって終わりというケースが多い。めったに店に顔を出さへん幹部連中が現金を受け取りに来たところを一網打尽にした。300人でも足らんくらいの大がかりな摘発やった」(捜査事情通)
幹部の久井容疑者は、2023年3月にも大阪市内の別の違法ネットカジノ店の店舗責任者として同様の手口で客に賭博をさせ、逮捕されている。
懲りないヤツだ。