伊勢湾奥の陸っぱりライトゲームでカサゴ時々メバル【名古屋港~四日市】アジの気配はなし
ポカポカ陽気とともにやって来る春の使者たち。となれば、アジもそろそろ湾奥に回ってくるのでは? いや、まだ来ない? 海の中の気まぐれにソワソワが止まらない。伊勢湾奥の5月初旬ライトゲーム釣行をお届けする。
伊勢湾奥でメバリング釣行
5月初旬、伊勢湾奥エリア(名古屋港〜四日市)に陸っぱりライトゲーム釣行に出かけた。当日は中潮で、天候は晴れ。
タックルと釣り方
底付近をメインレンジに据えつつ、平行に探ることを意識。その中で、時折レンジを一瞬だけ上下に変化させて、また元のレンジに戻す“揺らぎ”を加えることで、メバルのアタリを引き出す予定だった。
ロッド:sfr51
リール:ヴァンキッシュ1000
ライン:エステル0.35号
リグ:0.6〜1.3gジグヘッド(オクトパス/パフネーク/その他)
底を狙ってカサゴヒット
底は起伏が激しく、どうしても根掛かりが多発しそうな地形。それでもアタリは底付近に集中しており、なるべく根掛かりしないギリギリの範囲でウェイトを調整しながら攻めてみた。0.8gのBKヘッドで底を探っていると、ついに待望の1匹目がヒット。ただ、上がってきたのはカサゴ(笑)。
正直、狙いの魚ではなかったが、釣れないよりはよっぽど楽しい。でも、さっきからたまにある乗らないアタリは全部カサゴなのか?――そんな不安が頭をよぎり始めたその時、中層あたりで2匹目がヒット。
カサゴがサイズアップ
先ほどのカサゴとは違う、強めの首振りと引き。ドラグがジリジリと鳴り、ロッドに伝わる力強い抵抗。しかも中層。これはもしかして本命メバルか?……と思いきや、再びカサゴ(笑)。しかも結構デカい(笑)。
やっぱりかと、今まで感じていたアタリがすべてカサゴだったのかと、一抹の不安がよぎった。それでも気を取り直して釣りを再開。
本命メバル登場
今度は起伏が少なめなポイントに移動したため、リグを1gにチェンジ。レンジを意識しながら、たまに一瞬だけフォールさせて探っているとヒット。お、これも結構な首振り。引きもそこそこ強い。
「でも、さっきのカサゴも同じような感じだったしなぁ」と慎重に引っこ抜いてみると、今度は本命のメバル。ギリ食べられるサイズくらいだったが、ようやく出会えた本命に、思わず頬がゆるんだ。
その後も、メバルがぽつぽつと釣れ続けてくれて、気づけばそこそこの時間が経過していた。春の海らしい優しい風を感じながら、「そろそろ納竿かな」と思い始めたその時、「コンッ!」と手元に気持ちのいい明確なアタリが伝わった。
「これ、アジか?」と、リールを巻く手が自然と速くなる。引きもメバルとは違う。「これは……?」と、不安と確信の中に一抹の期待も頭をよぎる。海面に現れたのは、そう、安定のカサゴ君。だわね(笑)。というわけで、伊勢湾奥の春の釣行はここで納竿とした。
海の中にもようやく春到来
今回の釣行では、もう5月にもかかわらず、海の中がまだ完全には春に切り替わっていないことを実感させられた。カサゴは安定して釣れたが、メバルはポイントによって反応にムラがあり、アジに至っては気配すら感じることができなかった。
それでも、メバルの反応や表層〜中層で感じた軽いアタリは、「春の入口」が近づいている証拠……? 冬の安定から、今年は少し遅れてやって来た春の不安定さと、そこにある可能性の広がりへ。そんな季節の狭間を肌で感じることができた。
伊勢湾奥:今後の展望
伊勢湾奥は、水深や地形のバリエーションが豊富だ。そのため、今回のようにメバル・カサゴに加えて、タイミングさえ合えばアジや他の回遊魚にも出会える“春の可能性”に満ちたフィールドであると改めて感じた。
これからさらに水温が上がり、本格的に春から初夏のシーズンへ移行していけば、アジの活性も一気に高まってくるはずだ。この日のような“季節の境目”を楽しむことも、ライトゲームの大きな魅力の一つといえるだろう。
<刀根秀行/TSURINEWSライター>