実在の女性指揮者の奮闘を描く 5月31日に西京シネが「パリのちいさなオーケストラ」上映
「山口でなかなか上映される機会のない良質な単館系新作映画を、自分たちの手で上映・観賞する」ことを目的に活動している「西京シネクラブ」(大久保雅子代表)は、5月31日(土)に「パリのちいさなオーケストラ」(2022年、フランス)を上映する。会場は山口市民会館小ホール(山口市中央2)で、上映時間は午前10時半、午後2時、7時からの3回。
パリの名門音楽院への編入を認められた少女が、世界中で6%しかいない女性指揮者となり、貧富の垣根なく参加できるオーケストラを立ち上げた実話を描いている。
パリ近郊の音楽院でビオラを学んできたアルジェリア系のザイア・ジウアニ(ウーヤラ・アマムラ)は、最終学年でパリ市内の名門音楽院への編入が認められた。そこで指揮者になりたいとの夢を持つが、クラスには同じく指揮者を目指すエリートのランベールがいる。超高級楽器を持つ名家の生徒たちに囲まれアウェーの中、ランベールの仲間たちには「田舎者」とやじられ、指揮台に立っても真面目に演奏してもらえない。しかし、特別授業に来た世界的指揮者のセルジュ・チェリビダッケ(ニエル・アレストリュプ)に気に入られ、指導を受けるうちに道がわずかにひらき始める…。
監督および脚本は「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」のマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャールが務めた。主要キャスト以外の配役には、現役音楽家を起用。劇中に登場する数々の有名クラシック音楽は、実際に演奏しながら撮影された。
本作の公開によって注目されたザイアは、2024年パリ五輪の聖火ランナーを務めた。さらに閉会式では、自らが立ち上げたディヴェルティメント交響楽団とともに登場。大会初の女性指揮者として、フランス国歌「ラマルセイエーズ」などの演奏を担当した。
チケットは、当日会場で販売。料金は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。電話予約(TEL083-928-2688)すれば、一般料金のみ1500円に割り引きされる。
大久保代表は「ジェンダー、ルーツ、経済格差などさまざまな違いを乗り越え、音楽家としてだけでなく人間として成長していく若者たちが描かれている。よく耳にする楽曲もたくさん聴けて、爽やかな初夏にぴったりの映画だと思う」と話している。