映画作家・想田和弘が衆院選を危惧「いつも論戦なきまま終わってしまう」
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)10月16日の放送は、映画作家の想田和弘氏が出演し、選挙のやり方について、自身の意見を述べた。
野村邦丸(パーソナリティ)「今回の衆院選、“選挙”や“選挙2”という映画を撮っている想田さんにはどう写っていますか?」
想田和弘「ニュースで論戦だといわれてますけど、実は論戦がないんですよ。選挙カーで街を巡ったり、街頭で握手するくらいなんですね。論戦なきままにいつの間にか終わってる。これがずっと繰り返されてるんですよね。今回もそうなるんじゃないかと思います。もう少し、選挙戦というのは、私たちのコミュニティについて何が問題で、それについてどうするのか?問題をすり合わせる機会としてすごく重要だと思うんですけど、そうなっていない」
邦丸「選挙公報を見てても、いいことしか書かれていない」
想田「ポスターも掲示しますけど、ポスターとスローガンで何を判断しろというのか?僕は、選挙期間中は朝から晩までずっと公開討論会やって欲しいと思ってるんです。誰の発言時間が短すぎるとかそういう問題が起きないくらい、うんざりするくらいやるんですよ。1日10時間とか。それを、テレビ、ラジオ、インターネットで中継する。候補者たちに議論させて、議論する仕草も含めて判断する。それぐらいでいいんじゃないかと思います」
邦丸「そういうのあったら面白いですね。でも10時間だと話すことがなくなりますね。でも、そこに本質が出るんですよね」
想田「そうなんですよ。僕はドキュメンタリーの映画を作ってますけど、やっぱり待つことが大事なんですよ。カメラをずっと回していて、待っていると、何かがやっぱり出てくるんですよ。そこがすごく大事なんです。だから、うんざりするくらい公開討論するのが良いと思います」