クロアチア・クルク島が「ごみゼロの島」に ギリシャのティロス島に続き世界2番目
世界で2番目「ゼロ・ウェイスト認証」を取得した島に
クロアチアの西部にあり、アドリア海に浮かぶ島、クルク島。種子島より一回り小さいほどの大きさの島で、美しいビーチがあり、クロアチア本土や近隣から訪れる観光地でもある。そんなクルク島が2024年10月末、「ゼロ・ウェイスト認証(Zero Waste certification)」を取得した。
ゼロ・ウェイスト認証を取得し、「ごみを出さない島」となったのは、ギリシャのティロス島が第1号。クルク島は、それに次ぐ2番目の快挙だ。
ゼロ・ウェイスト認証とは?
ゼロ・ウェイスト認証とは、ヨーロッパの非政府組織「ゼロ・ウェイスト・ヨーロッパ」がスピンオフした団体「ミッション・ゼロ・アカデミー」による認証制度だ。同団体では、ヨーロッパ全土のコミュニティを対象に、廃棄物ゼロを目指すためのプロセスをサポートし、廃棄量を削減した循環型経済の実現を目指している。
ゼロ・ウェイスト認証を取得するためには、以下の5つのステップを踏まなければならない。
(1) 自治体によるゼロ・ウェイスト参加表明
(2) ゼロ・ウェイストへの取り組みの構築
(3) そのシステムの実施
(4) 認証
(5) 改善
また、定められた必須項目をクリアする必要があり、それぞれの項目をスコアで評価。認証は5つのレベル(星の数)があり、認証を取得した後も、毎年廃棄物ゼロの取り組みを改善することが求められ、3年おきに監査が行われる仕組みだ。
これまでゼロ・ウェイスト認証を取得した都市は、全部で13。例えば、下記のような都市がある。
観光地でも廃棄物ゼロへ
クルク島が廃棄物ゼロに向けた取り組みを始めたのは、2021年のこと。廃棄物収集・処分システムを基盤として、地元の廃棄物管理会社とゼロ・ウェイスト・クロアチアの協力のもと、家庭でのコンポストを推進するなどして、分別ごみ収集率58%、国民一人当たりの混合ごみ量を全国平均より22%削減。さらにごみに関する教育の実施、さらなるごみ削減対策の実施等も行い、それらの取り組みが評価された。
ゼロ・ウェイストの認証の監査人は、ヨーロッパの自治体に、観光地であっても廃棄物ゼロを目指せる好例として、クルク島の取り組みを参考にしてほしいと呼びかけている。
クルク島では、まだ5段階レベルのうち、もっとも低いレベルでの取得であるため、今後はさらなるレベルアップを目指していく。
※参考
Krk becomes first island in Croatia and second worldwide to become Zero Waste island|Mission Zero Academy
Croatia’s Krk is world’s second zero waste island|Balkangreen Energy News