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【死ぬほど暑い夏に聴く青春ソング5選】暑くて熱い名曲、センチバ、モンパチ、ハイロウズ!

Re:minder

1999年08月04日 センチメンタル・バスのシングル「Sunny Day Sunday」発売日

暑い。とにかく暑い。一歩外に出るだけで全身から汗が噴き出し、命すら脅かされるほどの危険な暑さが連日続く日本列島。扇風機に揺れる風鈴の涼やかな音色、縁側に焚いた蚊取り線香の煙、ガリガリくんにかぶりつく半袖半ズボン姿の子どもたちーー なんて光景はすっかり過去のものとなってしまい、令和の夏は朝から晩までクーラーをガンガンかけ、日中は不要な外出を避けるのが賢いライフハックである。風情のかけらもないが、文字通り “死ぬほど” 暑いのだから仕方あるまい。

しかし、そんな環境下にあっても色褪せることなく輝き続けるのが若者たちの青春である。“夏” と “青春” の親和性の高さは、数多くの映画や小説、そして音楽作品の題材になっていることからも明らかだ。今回は「死ぬほど暑い夏に聴く青春ソング」と銘打ち、独断と偏見で暑さと熱さを兼ね備えた珠玉の名作5曲を選ばせてもらった。

眩いばかりの青々しさをわずか2分34秒間に詰め込んだ傑作


Sunny Day Sunday / センチメンタル・バス(1999年)
今回のテーマで選定作業に入ったとき、間髪入れずに浮かんだのがこの曲だった。何しろ出だしから「♪39度のとろけそうな日」である。令和の今でもそうは見ることのない “39度” というエグい文字列のインパクトは絶大。まさしく猛暑ソングの代表格と呼ぶに相応しい名作である。

デビュー4枚目のシングルとなる本曲がポカリスエットのCMソングに抜擢されて大ブレイク。アフロヘアのボーカルNATSUのキュートな歌声と、疾走感のあるパンキッシュなサウンドが支持された。イントロでは往年のテレビアニメ『巨人の星』の主題歌の一部分を使用していることからも分かるように、野球をモチーフにした楽曲としても知られる。夏、野球、青春、恋愛といった眩いばかりの青々しさをわずか2分34秒間に詰め込んだ傑作だ。

今もなお愛され続ける、ももクロ夏の定番ソング


ココ⭐︎ナツ / ももいろクローバZ(2010年)
まだグループ名に “Z” が付く前、初期ももクロの傑作であると共に、リリースから年月を経た今もなお愛され続ける夏の定番ソングとなった。かき氷、水着、ゆかた、熱帯夜など夏にまつわるフレーズを散りばめたザ・夏歌であるが、初めてサビを聴いたときの衝撃は未だに忘れることができない。なんたって「♪コココ コーコ コッコッコー」と、歌詞カードを埋め尽くす “コ” の嵐!

ひたすら “コ” の連呼だけでサビを成立させるという突拍子のないアイデアは、当時気鋭のアーティストとして脚光を浴び始めていた天才・ヒャダインによるもの。天真爛漫な魅力いっぱいの彼女たちのパフォーマンスと併せて、とにかく多幸感あふれる作品だ。私ごとながら、今から14年前、真夏のよみうりランドで開催されたライブの客席で、この曲のサビに合わせて踊り狂ったのは青春時代のよき思い出だ。

ケレン味と疾走感あふれるサウンドの灼熱ロックチューン


夏なんだな / ザ・ハイロウズ(2003年)
「♪36℃炎天下 アスファルトも溶け出してる」という、聴いているだけで喉が渇きそうなフレーズで始まる本曲は、当時ダイエーホークスの不動の正捕手・城島健司を起用したアクエリアスのCMソングでもあった。

歌詞は森の中で遭遇するスズメバチやカブトムシを描写した少年期の夏を彷彿させる内容となっているが、一方で「♪風鈴が鳴らないもんで 扇風機を向けてみれば 面倒臭そうになるから 余計暑くなる」のように、マーシーらしい秀逸な情景描写が、日本の夏の蒸し暑さ、そして風情を呼び起こし、なんとなく切ない気分にもさせる。彼ら特有のケレン味と疾走感あふれるサウンドに乗せ、甲本ヒロトが歌うーー それだけで暑さすらも演出に思えてくるような灼熱ロックチューンに仕上がってしまうのだから恐れ入る。

夏の気だるさのようでもある独特の浮遊感


自転車泥棒 / ユニコーン(1990年)
アルバム『ケダモノの嵐』に収録されたユニコーンの隠れた名曲。 ドレミファソラシドとドシラソファミレドが同居する白昼夢のようなイントロが、一気にセピア色のノスタルジーへと誘い込む。陽炎の揺らぎのようでもあり、夏の気だるさのようでもあり、独特の浮遊感を持つ不思議な楽曲となっている。ボーカルは奥田民生、作詞作曲は共に手島いさむ。本当にこのバンドは多才揃いだ。

遠い昔の淡い恋を描いた歌詞は、淡々としているが非常にドラマ性が強く、短編映画を観終えたような感覚にもなる。情景が浮かぶ歌というのは、こういう楽曲のことを言うのだろう。同名のイタリア産名画から引用したであろうタイトルも曲の雰囲気に合っており、とにかくセンス抜群。

空前絶後のメガヒットとなったテンションブチ上がり青春ソング


小さな恋の歌 / MONGOL800(2001年)
ゼロ年代以降に青春を過ごしたならば、この曲に思い入れが無いという方がめずらしいのではないだろうか。それくらいみんな聴いていたし、カラオケで何十回歌ったことか。

特定の季節を感じさせる内容ではないが、バンドの拠点である沖縄のイメージと紐づいて夏に聴くことでより一層テンションがブチ上がる。恋愛だったり受験だったり学園祭だったり、この曲と青春時代の思い出がリンクしている方も多いはずだ。なにしろ本曲を収録したアルバム『MESSAGE』のトータルセールスは驚異の約280万枚。インディーズリリースの作品として空前絶後のメガヒットとなった。

うだるような暑さの中、大音量で聴けばまだ青かった “あの夏” にタイムスリップできること請け合いだ。

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