良い匂いでリラックスできる「お香」。初心者が始めるに必要なことは?
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。
新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
先週、スーさんが自宅でお香を焚いているという話を聞きました。
一方、杉山アナはまったくやったことがないということで、
今回、詳しい方に「入門編」として基礎知識を教えてもらいます!
話を伺ったのは・・・
薫物屋 香楽・認定教授香司の石濱栞さん。
香司とは、簡単にいえば、お香の専門家。お香作りのプロ。
まず、そもそもお香とは?その歴史やどのように使われてきたか伺いました。
石濱:定義としては、香木で、白檀か沈香が使われていること。香りを楽しむっていうこともあるんですけど、昔、お香が入ってきたとき、疫病が流行りやすかった。昔の人は病気にかかるのが怖かったんですよね。お香のはじまりは香りの強い薬を袋とかに詰めて、病気がよってこないようにお守りとしてもつ、というところから始まっているんですよね。仏教儀礼のとして入ってきているので、仏様に備える。原料の中には、虫除けになったりとか、鎮静作用があって精神を落ち着けてくれるものも。お守り、実用性、趣味として使われているんですね。
「沈香」「白檀」という材料(香木)を使ったものが“お香”ということだそうです。これをそのまま使うこともできますし、商品として販売されているものは、この香木にさらにスパイスなどを加えて、独自の香りをだしているそうです。さまざまな組み合わせをすることができるので、その種類は無限に生み出すことができるそうです。
その歴史ですが、もともとは、仏教とともに伝えられたといわれ、西暦500年代・飛鳥時代の書物にはすでに使われていた表記があるそうです。
ちなみに、「アロマ」と何が違うの?という疑問ですが・・・お香は原料が木や木の実、蕾などの固体・粉末であるのに対して、アロマは花や果物の皮などから香り成分を液体として抽出しているのが違い。
やはり、一番身近なお香は「お線香」という方が多いと思いますが、それだけではないそうで・・・
石濱:一言にお香と言っても、常温・温め・火をつけるの3タイプ。火つけなくても置いておくだけで香るもの。火をつけずに温めるだけで香るものなどがあります。火をつかいづらいおうちなら常温。煙とかで空間を浄化したいという方なら、火のタイプ。あとは、体に塗るようなお香もあります。白檀もオーストラリア産・インド産などで産地で香りが違うんです。油の多いもの、香りが濃いものがいいものとされています。沈香にもグレードがあって、1つの木からとれる油なんですが、とれるまでにかかった年月、木の油の含有量で違ってくる。同じ沈香で香りの質が違うんです。
もちろん、仏壇に備える線香や、“お焼香”の際に使うチップのようなものもお香の一種。線香のように細長いものなど形状もさまざま。さらに、使い方にも違いがあって、直接火をつけるタイプ・間接的に熱を加えるタイプ・そのままで香るタイプの3種類。
さらに、「沈香」や「白檀」の中でも、木の油の含有量などでグレードが違うそうで、マグロでいう、赤身・中トロ・大トロのようなイメージ。なかには、1グラム数万円するものもあるそうで、幻の「蘭奢待(らんじゃたい)」という香木にいたっては、美術館や有名なお寺に所蔵されているそうです。
初心者が、お香を購入する際のポイントはこちら!
・初心者ならまずは小さいものを!準備・片付けどちらもスムーズ。(灰の処理が少し面倒だそうです)
・さらに、すぐに始めたいならお香立てつきが便利。とのこと。
「それでも、検索してみたら、いっぱい商品があって選べない!」
「自分の好みの香りがわからない!」という方には、「アソート」がおすすめ!と石濱さんが教えてくれました。
今回は、専門店で2つの商品、購入してきました。
京都の老舗「松栄堂」
アソート「芳輪 京五彩」税込1320円。
・7センチのスティックが、5種類の香りを4本ずつ
・7センチスティックの燃焼時間は約20分。
・1円玉の大きさの「簡易香立て」もついています。
《天平》高級沈香の気品の高い和の香り。
《室町》沈香の荘厳な香り。
《元禄》白檀を基調とした香木の、自然で豊かな香り。
《白川》ふわりと広がる白檀の甘みとすっきりとした残り香。
《二条》甘さをおさえた白檀のやさしい香り。
名古屋市が拠点の「香源」。
税込2200円。
「香源オリジナル お香 日本の香り・煉香の香り ミニ寸すんアソート」
9種類・2本ずつのお香が入っています。
どちらのお店も都内に支店がありますし、オンラインでも購入可能です。
アソートにはほかにも種類があり、専門店ですと、詳しく教えてもらえることが多いようです。
みなさんも、お香はじめてみませんか?
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)