昭和・平成の"実家あるある"を平成レトロ研究家が徹底再現!レトロ文化の魅力は「未来を明るく感じられる」ところ
「うわ!懐かしい!」
思わず声が出てしまうような、ノスタルジックな部屋が令和に蘇ります。
レース付きの電話カバー、棚に並ぶお土産、遊ばなくなったゲーム機…。
昭和末期から平成初期にかけて、どこの実家にも存在していたような「あるある」な空間を、徹底再現!
平成レトロ研究家・山下メロさんが、"実家あるある"を再現!
この空間を手掛けたのは、『マツコの知らない世界』など多くのメディアで活躍する平成レトロ研究家の山下メロさん。7月13日(日)午後3時30分から放送の『先駆け!アーレーイーマー ~アレがあるからイマがある~』の番組セットです。
誰もが知る国民的ヒット商品の知られざる誕生秘話を紐解くという番組内容に合わせて考案されたものなのですが、気になるものが盛りだくさん…。
山下さんがこだわった部分や、「昭和末期~平成レトロ」の魅力についてお話を伺いました!
平成レトロ研究家・山下メロさんにインタビュー!
スタジオセットのアイテムは、ほぼ全て私物!
――今回のセット作りで特にこだわった点は?
番組のテーマが現在から過去を振り返る内容なので、昭和末期から平成における幅広い時期のものが、あれこれ置きっぱなしになっている実家の居間の雰囲気を意識しました。実は、セットで使用したアイテムのほとんどが私物なんです。平成レトロの展示用や民俗学的資料として、これまで数多くの品々を収集してきましたから。
――具体的にどんなアイテムでしょう?
特に注目していただきたいのは、当時、なぜか色々な家にあった「謎のゴリラのぬいぐるみ」です。それと、漫画雑誌の広告でよく見かけた「ブルワーカー」(筋力トレーニング器具)あたりでしょうか。
他にも固定電話まわりのアイテムにこだわりました。黒電話にレース付きのカバーをかけたり、分厚いタウンページを横に置いたり。受話器を置くとオルゴールが流れる保留台なども、“実家あるある”として再現させていただきました。――壁に飾られた、北海道の地図が描かれたのれんも印象的ですね。
これは「ファンシー絵みやげ」と呼ばれる、80年代前後の子ども向けお土産品の一つです。北海道のキタキツネグッズが源流で、こののれんにも北海道の地図とキタキツネのイラストが描かれています。
2017年頃、網走と北見の間のドライブインで購入したものですね。北海道にはこうした懐かしいお土産がまだ残っているので、グッズ収集にも良く訪れています。他にも新潟のスキー場のペナントや京都のタペストリーなど、旅先でつい買ってしまい、そのまま実家で飾ったままになりがちなお土産品をセットに使用しています。
――長年の研究・収集活動が活きているんですね。
これまでイベントなどで「レトロな部屋の再現展示」という活動を行ってきたので、人がどういったものを懐かしがるかのデータが蓄積されています。それを活かしてアイテムを選びました。
――最後に、山下さんご自身にとって「昭和末期~平成レトロ」の魅力はどんなところにあると考えますか?
「昭和末期~平成レトロ」文化の魅力は、未来を明るく感じられ、勢いのあった時代を思い出させてくれるところにあると思います。
僕自身、現代のように情報に追われることなく、ゆっくりと流れる時間の中で、景色を眺めながらぼんやりと過ごすことができていたと感じます。
確かに今と比べると不便だったかもしれません。でも、手間をかけるからこそ、心が動き、いい思い出が生まれたりしたのではないでしょうか。
忘れてしまった子ども時代のことや、不便ながらも楽しく過ごしていた”あの頃”を思い出させてくれる。そこに大きな魅力を感じています。
今回の番組やスタジオセットを楽しみながら、皆さんにもそれぞれの”あの頃”に思いを馳せてみてください!
【山下メロさんプロフィール】
1981年広島県生まれ、埼玉県加須市育ち。自身を「記憶の扉のドアボーイ」と称し、平成レトロを提唱。バブル期を軸に昭和・平成の庶民風俗を研究する。携帯電話やギャル文化、平成女児向け商品、スケルトングッズなどの資料を収集・保管し、全国で展示活動を展開。『マツコの知らない世界』など多数のメディアに出演。バブル期の観光地みやげ「ファンシー絵みやげ」の保護活動を全国で行う。著書に『ファンシー絵みやげ天国』『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
公式Web:https://www.fancy80s.com
Twitter:https://twitter.com/inchorin
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@miyage
Instagram:https://www.instagram.com/mero.yamashita
文:Sitakke編集部 ナベ子