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<春季高校野球静岡県大会 準々決勝>常葉大菊川、県内初黒星も… チーム内競争激化で夏の頂点獲りへ

アットエス

準々決勝で敗れ、ベンチに引き上げる常葉大菊川の選手

春季高校野球静岡県大会は27日、準々決勝が行われ、今春の選抜大会(甲子園)に出場した常葉大菊川は桐陽に2-6で敗れ、このチームとしては県内で初の黒星を喫した。石岡諒哉監督は「うちは守りのチーム。守りのリズムが悪いとこうなってしまう」と失策や暴投が絡んだ失点に苦言を呈した。

安打数は桐陽と同じ8本だったが、つながりを欠いた。ただ今大会、8強入りして夏の静岡大会のシード権を獲得し、公式戦登板のなかった投手や下級生野手が経験を積んだことは前向きに捉える。

3安打を放った児玉一琉選手

「春の(ベンチ入り)20人はこれで一区切り。チームとしてもリセット。甲子園外れた選手も、チャンスをもらった選手も、さらに競争して活性化していけば」と、選手に一層の奮起を促す。

先発佐藤大介「夏は期待に応える」

準々決勝で先発した常葉大菊川・佐藤大介投手

準々決勝の先発は2年生左腕の佐藤大介投手。今大会は野手としての出場はあったものの投手としては初めて。甲子園のマウンド以来の公式戦に「力んでしまった」と制球が定まらず、6回を投げて3安打4四球、2暴投で3失点。6回のうち4回で先頭打者に出塁を許す苦しい展開となった。

「自分のピッチングができず、背番号も二桁になってしまった。今までにない壁を感じている」。選抜では背番号1を付け、聖光学院(福島)との1回戦で延長11回に救援登板。敗戦の悔しさを味わった。

指揮官は「普段の取り組み姿勢にまだ甘さがある。能力はあるのに、もったいない。本人がどれだけ高い意識を持ってやるかですね」と、期待の分だけ評価は厳しい。

佐藤投手自身も自覚している。「まだチームの中で一番練習しているとは言えない。夏は必ず、期待に応えたい」

橘木主将、夏への覚悟「先輩が示していく」

チームをけん引する橘木千空主将

橘木千空主将は「抑えられるところで抑えられず、(点を)取れるところで取れなかった」と敗因を受け止める。大会を通じて課題が明らかになった一方で、テーマとしてきた積極走塁については収穫もあった。

遊撃手に1年の小栁祥太郎選手が抜てきされるなど、スタメンの立場も安泰ではなくなった。ただ、橘木主将は「競争は激しくなったけれど、いつも点を取るのはこれまでのメンバー。後から出てくる選手が活躍しないと」と下からの突き上げに物足りなさを感じている。

「3年生は最後の夏なのでやるしかない。でも下級生はまだ夏の勝負がわかっていない。先輩が示していかないと」と夏に向けて、チーム内の緊張感を高めていく。

(編集局ニュースセンター・結城啓子)

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