「金儲けのために映画を作る人間とは違う」社会現象ヒット作『WEAPONS/ウェポンズ』を監督&キャストが語る
話題沸騰『WEAPONS/ウェポンズ』ついに日本上陸
『IT/イット』『死霊館』など数々の傑作ホラーを贈り出すスタジオ<ニューライン・シネマ>が新たに仕掛けるネタバレ厳禁考察ミステリー『WEAPONS/ウェポンズ』が、11月28日(金)より劇場公開となる。
このたび監督のザック・クレッガーからコメントが到着。さらにジョシュ・ブローリンら豪華キャスト陣から、監督の熱い言葉を裏付けるような証言も寄せられた。
世界が気付いた新たな才能 ザック・クレッガー
物語の舞台は静かな郊外の町。ある水曜日の深夜2時17分。子どもたち17人が、ベッドから起き、階段を下りて、自らドアを開けたあと、暗闇の中へ走り出し姿を消した。
消息を絶ったのは、ある学校の教室の生徒たちだけ。なぜ、彼らは同じ時刻に、忽然と消えたのか? いまどこにいるのか? 疑いをかけられた担任教師ジャスティンは、残された手がかりをもとに、集団失踪事件の真相に迫ろうとするが、この日を境に不可解な事件が多発、やがて町全体が狂い出していく……。
監督を務めたのは、いま新時代の才能として映画界を震撼させるザック・クレッガー。コメディアン、脚本家、監督、俳優等、様々な顔を持つザックは、長編映画監督デビュー作『バーバリアン』で「ホラー映画の未来を変えた」と絶賛され、緻密な脚本と計算された恐怖演出で世界中の映画ファンを熱狂させた。
そんなザックが手がけた最新作『WEAPONS/ウェポンズ』は、キャラクターそれぞれの視点でストーリーが構成されている。知的好奇心を刺激する、まるでモキュメンタリーのような演出は、いまもなお世界中で考察合戦が繰り広げられている。
このたび公開を目前に、ザック監督から貴重なコメントが到着。そして並々ならぬ情熱で撮影に臨んだ監督と現場を共にしたジョシュ・ブローリン、ジュリア・ガーナー、ベネディクト・ウォンらキャスト陣が、撮影エピソードや監督の印象について証言を寄せている。
「僕は執念深い。完成したのは、ずっと頭の中で観ていたのと同じ映画だった」
すでに世界興行収入389億円を突破している『WEAPONS/ウェポンズ』だが、公開直後からSNSではネタバレ考察が続出。その大フィーバーは、本作のメインビジュアルである“走る子こどもたち”の姿とワールシリーズ2連覇のロサンゼルス・ドジャースをオマージュしたMLB公式のSNS投稿にまで波及した。
そんな空前の社会現象を巻き起こし、一躍時代の寵児となったザック・クレッガー監督は、「フィルムメーカーとしての僕の使命は、脚本執筆時に描いたビジョンを完全に明確に保ち、忠実であることだ。脚本を書いているとき、僕はその映画を観ていて、その純度を守ることだけが仕事になる。それが世界で一番難しいことだ。映画を作っていると、毎日数え切れない問題が押し寄せてきて、少しずつ削り取っていく作業を繰り返す」と、脚本執筆時から常にスクリーンに投影される自作のイメージを観続けていたという。
そして撮影が始まると、「現場でモニターを見ているとき、僕は頭の中にあったものを目にしていると感じる。編集室にいるときも、僕が1年前に観ていた映画、毎晩眠るときに頭の中で観ていた映画を観ている。お察しの通り、僕は執念深い人間だ。毎晩、眠りに就く前にこの映画を心の中で観ていた。そして最後の編集工程であるカラーグレーディングを終えたとき、そこに映っていたのは、ずっと頭の中で観ていたのと同じ映画だった。頭の中にあった映画を形にできたことは、僕にとって最大の勝利だ」と、一切の妥協を排除して自分が描いていたイメージ通りの作品を完成させた。
ジョシュ・ブローリン「彼は金儲けのためだけに映画を作る人間とは違う」
突然姿を消した息子を探す父を演じているジョシュ・ブローリンは、初対面で「監督が詳しく話してくれたのは、『登場人物一人ひとりが、彼の親しい友人の死と向き合う自分自身の一部を表している』ということだった。その話にとても心を動かされたよ。その言葉で人としてつながった気がした」と、自分の分身を投影したキャラクターたちを配した脚本に目を見張ったという。しかも、物語は複数の異なる視点で描かれていく。
ザック監督の印象については、「プロの俳優として見ても、この脚本の構成は卓越していた。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥやギレルモ・アリアガの初期の作品を思い出させ、私が愛してきた映画の系譜にあった。『この監督は偉大な作家たちから影響を受けつつ、それを自分のものにしている』と思った」と、脚本に心を動かされた経緯を振り返る。
さらに、「彼はとても繊細な監督だ。だからこそ現場に深く関わり、常に個人的な作品であり続けるようにしている。そのプレッシャーがいい。金儲けのためだけに映画を作る人間とは違う。もちろん誰だってお金は欲しいけれど、これは彼にとって本当に個人的なものなんだ」と、監督がどこまでも一クリエイターとして、作家として理想のビジョンを追求する姿勢に驚嘆した。
ジュリア・ガーナー「撮影現場で“映画を観たい”と思うことなんて滅多にない」
「ザックは直接的で、しかも優雅に伝えることができる。そういう人には滅多に出会えるものではない。キャストもスタッフも全員が素晴らしかった」と語るのは、周囲から疑いの目を向けられる担任教師ジャスティンを演じたジュリア・ガーナーだ。「毎日モニターのある場所に行くのが楽しくて仕方なかった。撮影現場で『映画を観たい』と思うことなんて滅多にないのに、そう感じたの。ザック自身と彼のプロセスを目の前で見られたことも大きな喜びだった」と、共演者たちとモニターで映画の続きを観ながら、監督が作品を仕上げていく過程を間近に見られたことはかけがえのない経験になったようだ。
ジャスティンの元恋人の警官ポールを演じたオールデン・エアエンライクも、「ザックはとても情熱的で、ビジョンも明確だし、俳優でもあるからこそ、演技する側の感覚をより理解してくれた。俳優出身の監督と仕事をすると、こちらが何をしているのか、頭の中がどうなっているのか、何を体験しているのかを別の角度から理解してくれる。それは本当にありがたいことだった」と、演技者の視点も持ち合わせた監督ならではの撮影だったと述懐。
さらに「ザックは信じられないくらい熱意にあふれていて、その喜びは周りに伝染していた。現場には素晴らしい仕事の倫理があった。それはザックと彼が注ぎ込むエネルギーの賜物だ。彼は強烈なビジョンを持ち、私たちは皆その一部として関わることができた」と、現場に注がれた監督の熱量に圧倒されたと証言している。
ベネディクト・ウォン「彼は厳しいが、公正で、現場に良い雰囲気を育んでくれた」
ブローリンとはMCU作品で共演しているベネディクト・ウォンも、「ザックの物語作り方でわかったことがある、それが容赦ないということだ」と驚きを語る。ウォンが演じる小学校校長マーカスは、クラスの子どもたち17人が突然姿を消したことについて周囲から疑われる担任教師ジャスティンのために保護者会を開くが、事態は思わぬ方向へと進んでいく。
「ザックとこの仲間たちとなら、何か特別なものが生み出せる予感があった」と振り返るウォンは、現場では「自分の脚本とビジョンに心から信念を持つ監督の姿を見ることができた。彼が出すタイミングやサスペンスの使い方も見事だった」と感じたそうで、「彼は厳しいが、公正で、現場に良い雰囲気を育んでくれた。彼とまた別の映画で一緒に仕事がしたいと思っている」と、一切妥協せずに撮影を進めた監督に畏敬の念すら感じたと明かしている。
ブローリン「今はサスペンス&ホラーのサイクルで、私はそれが好きだ」
本作の製作総指揮も務めたブローリンは、「ザックは本当に知的で、繊細で、情緒的なフィルムメーカーで、構成や物語の進め方を理解する優れたセンスを持っている。魅力的なキャラクターが登場して――それぞれが物語全体に不可欠な何かを表現する。それによって新しいジャンルが生まれてきている」と、児童集団失踪事件を複数の異なる視点で描く『WEAPONS/ウェポンズ』の語り口を高く評価し、このジャンルに新たな潮流を生んだと力を込める。
そんな本作が発火点になったともいえる2025年のサスペンス&ホラーブーム再燃についても、「アリ・アスター監督らのように同じジャンルに取り組みながら、本当に面白くて賢いフィルムメーカーが異なるアプローチをしているのは実に魅力的だ。私が『ノーカントリー』をやった頃、突然みんなが西部劇風映画を作るようになった。80年代を見れば、ブラット・パック映画~青春映画が次々と現れた。すべてサイクルになっている。今はサスペンス&ホラーのサイクルで、私はそれが好きだ。そして本当に優れた人と一緒に関われたことが心から嬉しいよ」と、自身の豊富な経験をもとに証言している。
脚本執筆時から撮影、仕上げを経て完成まで、常に自分が理想とするイメージを観続けたザック・クレッガー監督の妥協なき情熱が生んだ『WEAPONS/ウェポンズ』は、11月28日(金)に待望の日本上陸を果たす。今年最後の超話題作を、ぜひ映画館の大スクリーンで体感しよう。