長期休暇明けに「気分が落ち込む」20歳代社員が7割 復帰後の若手のケアに必要な4つの観点
ジェイック(東京都千代田区)は5月7日、20歳代の正社員を対象に実施した「長期休暇後のリフレッシュ方法」に関する調査結果を公表した。調査では、長期休暇後に仕事へ戻る際、「気分が落ち込んだ経験がある」と回答した人が7割以上に上ることが明らかになった。
長期休暇明けに気分が落ち込む若手社員が多数
長期休暇明けの気分について尋ねたところ、「よくある」「時々ある」と回答した人の合計が71.4%に達した。「ほとんどない」は19.8%、「まったくない」は8.8%となっている。
気分が落ち込んだ経験のある人に対し、有効だったリフレッシュ方法(2つまで回答)として挙がったのは、「十分な睡眠を取る」(43.4%)、「趣味に没頭する」(36.9%)、「家でリラックスして過ごす」(32.0%)など。心身を自宅で整える傾向が強く、外出や運動よりも、自分の内側を整える手段が支持されている。
「友人や家族と話す」(27.0%)、「好きなご飯を食べる」(24.6%)といった身近な楽しみによる気分転換も上位に入り、「会社の同僚・先輩・上司と話す」と答えた人は9.0%と低く、職場を離れての回復傾向が強いことがうかがえる。
業務面では「段階的な再開」「優先順位づけ」がカギ 職場も柔軟な対応で寄り添いを
長期休暇明けの仕事復帰にあたり、無理をしないための工夫について、若手社員からは以下のような具体的な対処法が挙げられた。回答は主に4つの観点に分類できる。
頑張り過ぎないための工夫
プレッシャーを軽減し、自分を追い込み過ぎない姿勢が多く見られた。
・無理に頑張り過ぎない、考え過ぎない
・100点ではなく80点で合格を目指す
・ペースを落とす
・1人で抱え込まない
・「どうにかなる精神」で出社する
・適度に手を抜く
仕事・タスク管理の工夫
業務の再開は段階的に、かつ優先順位を意識して進める工夫が挙がった。
・メールチェックなど簡単な業務から始める
・タスクをひとつずつ着実にこなす
・休暇前に復帰後の業務を整理しておく
・優先順位を付けて処理
・残業せず定時退勤を意識
生活リズム・休息の調整
体調管理の面では、生活リズムの再調整が重視されていた。
・早寝早起きや規則正しい生活を心掛ける
・前夜は多めに休息を取る
・平日と同じ時間に就寝する
・思い切り寝る日を作る
気持ちの切り替えとモチベーションの維持
前向きな気持ちを作ることや楽しみの設定が、精神面での支えになっていることがうかがえる。
・仕事のことを前日に少し思い出して気持ちを整える
・頑張ったご褒美を考える
・趣味や好きなことを目標にする
・次の休みの予定を立てる
・好きな音楽を聴いて気分を上げる
調査結果を受けて、同社では「20歳代は働き方を模索する段階にあり、長期休暇明けには多くのエネルギーを要する」と分析。企業や上司に対しては、「復帰初日は負荷の少ない業務を任せる」「出社できただけでも肯定的に声を掛ける」など、若手社員の状態に応じた柔軟な対応の必要性を指摘した。
また、気分の落ち込みが見られる社員に対しては、「業務の優先順位を一緒に考える」「タスクの分担を再調整する」といった支援が有効だとしている。職場が寄り添う姿勢を持つことは、若手社員の安心感やエンゲージメントの向上につながるとコメントしている。
調査は、同社の就職支援サービスを利用して就職・入社した20歳代の正社員171人を対象に実施された。結果の詳細は、同社の公式リリースで確認できる。