「本流トラウトの聖地」犀川でのルアー釣行で65cmブラウントラウトに35cmレインボー【長野】
本流トラウトの聖地と言われる長野県犀川。大型ネイティブトラウトが狙える人気リバーを9月初旬、こだわりのタックルで攻略し良型ブラウントラウトとレインボートラウトを手にした模様をお伝えしたい。
犀川でネイティブトラウト釣行
記録的な暑さをもたらした8月も終わり、朝晩は少し涼しさを感じるようになった9月初旬、本流トラウトの聖地と呼ばれる長野県犀川にネイティブトラウトを狙いに釣行した。
犀川について
長野県を流れる犀川は信濃川水系の一級河川であり、上高地を水源とする梓川と奈良井川が合流し犀川となる。犀川では平ダム上流の御曹子橋を境に上下流で2つの漁協が管轄している。
上流側にあたる犀川漁協では、釣期は例年2月16日の解禁から9月30日までとなっている。エリアは奈良井川、高瀬川等支流も含め広大なため詳細は犀川漁協の公式HPをご確認頂きたい。
下流側に位置する犀川殖産漁協のエリアは御曹子橋から下流、長野市内の左岸側清掃工場、右岸側青木島町と真島町の境界まで。その中で上流の大八橋から更級橋の区間はキャッチ&リリースがルールとなっている。
犀川殖産漁協では全てのエリアでシングルフックの使用とキャッチ&リリースが推奨されている。
釣期についてはニジマス(レインボートラウト)は犀川本流のみ通年解禁となっている。詳細なエリアと釣期、推奨ルールについては犀川殖産漁協のHPでご確認頂きたい。
両漁協とも遊漁対象にブラウントラウトは含まれていないがレインボートラウトと同じ釣期、ルールで釣りをしている。
推奨タックルについて
犀川での基本的なタックルはトラウト用7ftから9ft。パワーはMLからMクラスを使用するルアーに合わせて選べばいい。
リールはスピニングなら2500番から3000番クラス、最近はベイトリールを使うアングラーも多い。ラインはPE0.8号から1.5号、リーダーにフロロカーボン12ポンドから16ポンドを使用する。
ルアーについては7cmから10cmクラスのミノーをメインに、7gから14g程度のスプーンもローテーションで使用する。
狙うポイントは瀬、ヒラキ、淵など流れの変化や岩盤のスリット、点在する岩やテトラなどの障害物周りを探っていく。本流トラウトの釣りでは上流からの釣り下りが基本となり流れに対しクロスからダウンクロスで狙っていく。
使用タックルについて
ここからは、筆者が実際に釣行で利用したタックルについて説明する。
1. スピニングタックル
ロッドがダイワ社ファントムTR802MRS、リールもダイワ社15ルビアス2508PE-HにPEライン1号、リーダーにフロロ16ポンド。川幅の広い場所では遠投性を重視して8ftのスピニングタックルを使用した。
2. ベイトタックル
ロッド、テンリュウ社レイズ712B MLM、リールはアブガルシア社アンバサダー4500CにラインはPE1.5号、リーダーにフロロ16ポンド。キャストフィールと操作性を重視する場合は7ftのベイトタックルを使用した。リールはお気に入りのオールドアブだ。
トラウトを狙う上で私はタックルにこだわって釣りをする。1つは美しいトラウトを写真に収める時、添えていて絵になるタックルということ。
もう1つは使って楽しめるタックルであること、基本的には釣れない本流トラウト、こだわりのタックルで味のある釣りを楽しみたい。そうして手にした1匹は格別の嬉しさがある。
釣行開始
釣行初日の9月6日、犀川下流側の犀川殖産漁協管轄へ釣行した。犀川へは過去何度か足を運んでいるが、上流側の犀川漁協管轄を釣っていたため犀川殖産漁協管轄は初めての釣行である。
事前準備として、遊漁券購入場所や、入川ポイントと駐車スペースの調査を行っておいた。早朝から釣りスタートのため、24H営業のセブンイレブン明科七貴店で遊漁券を購入する。
最初に選んだ場所は、道の駅大岡特産センター裏。車の駐車場所が分かりやすく、入川が簡単と言うことでここを選んだ。放流場所にもなっており実績も十分の場所だ。
65cmのブラウントラウト手中
平日の為か先行者はおらず、上流側の瀬からキャストを開始する。ルアーはスミス社D-コンタクト72。瀬からヒラキに入り、岩が点在する流れに差しかかった時、いきなりバイトが出た。
フッキングも決まり、強い流れの中をトルクある引きで楽しませてくれる。なかなか寄らない強い引きに大型を確信、ドラグを調整しながら慎重にファイトする。足元まで寄せネットイン、したのも束の間、魚が大き過ぎてネットに入り切らずフックアウト。
反射的に逃げる魚をネットに入れ間一髪ランディングに成功。サイズを測ると65cmと良型のブラウントラウトであった。開始早々の1本、時刻はまだ6時半。朝飯前ということもあり場を休ませる為にも小休止とした。
再開後は反応なく、比較的入川が簡単なポイントを数ヶ所探るがバイトはない。時合いではないと判断し管轄エリア全体の下見をする。初場所ではこうした下見が後の展開や次回来た時に役立つ事が多い。
その後昼休憩を挟み夕マヅメまで竿を振ったが気難しいトラウトからの反応は得られず釣行初日を終えた。納竿後は近隣の温泉に浸かり疲れを癒し翌日に備える。
レインボートラウトがヒット
翌7日、猛暑の影響で水温が高いと判断し上流側の犀川漁協管轄にエリア変更をした。犀川漁協管轄は湧水が豊富で夏場でも比較的水温が安定している。この日は支流も含めて過去に実積のある場所を中心にテンポ良く流していくことにした。
土曜日ということもあり先行者がいる場所はパスしながら反応を待つ。8時を過ぎ犀川本流スイス村下流へ移動した。ここは前回来た時より大幅に地形が変わっており、半ば諦め半分で探っていると突然のバイト。
瞬時に宙を舞う華麗なジャンプを見せてくれたのは30cm程のレインボートラウトだったが、フックアウトしてしまった。
35cmのレインボートラウトをキャッチ
気を取り直しキャストを再開する。いよいよ本命といった流れに差しかかった所で再びのバイト。先程のバラシからドラグを緩めに設定していたためカリカリと気持ち良くドラグが出ていく。
スピード感あるファイト、バラさないように慎重に寄せランディング。キレイな35cmのレインボートラウトのキャッチに成功した。
リリースすると元気良く川へ帰って行った。この先大きく育って、また楽しませてもらいたい。この後、犀川本流をメインにサイズアップを狙うも追加はできず夕方6時、今回の釣りを終え納竿とした。
犀川は禁漁間近
この先秋らしくなる9月下旬、犀川漁協管轄は禁漁間近となっている。対して犀川殖産漁協管轄は10月以降もセカンドシーズンと呼ばれ犀川本流でレインボートラウトに限り解禁されている。
毎年秋に成魚放流がある事に加え他の漁協管轄が禁漁期間に入る事もあり混雑が予想される。しかし裏を返せば、他のアングラーの釣りを見るチャンスとも言える。自分とは違う攻め方で魚を引き出す姿が見れれば新たな引き出しにもなっていく。
混雑している場合は先行者に必ず挨拶をし必要な距離を確認した上で釣りを開始したい。特にフライフィッシングをされている方はバックスペースを必要とするため、ルアーアングラーが考えるより距離を取る必要がある。しっかりと確認の上釣りを開始しないとトラブルの元になるため注意が必要だ。
また、犀川本流の流れは太く、膝下程度の水深でもかなりの水圧になる。立ち入る際は安全を優先し無理のないよう注意して頂きたい。最後に犀川周辺のご当地グルメとご当地ショップを紹介したい。
犀川周辺のご当地グルメとご当地ショップ
信州名物と言えば蕎麦である。犀川から近い松本、長野市内には美味しい店が数多くあり、釣行した際の昼食にする事が多い。山賊焼きも名物の1つだ。鶏を揚げる所から取り上げるを掛けて山賊焼きというらしい。ジューシーな鶏肉は釣行後の夕食にオススメだ。
近隣のショップとして松本市内の上州屋松本インター店がある、トラウト関連のアイテムが品揃え豊富で犀川情報も聞けるため休憩がてら立ち寄る事が多い。
60cmや70cmと言った夢のサイズが射程に入る本流トラウトの聖地犀川。今度は野生化したワイルドレインボーのファイトを味わいに行ってみたい。
<稲垣順也/TSURINEWSライター>