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川尻小 実際さながら児童会選挙 市と協力「リアルな学びに」

タウンニュース

実際の選挙で使用している投票箱や投票用紙で体験する児童

川尻小学校(嵜山浩人校長)は、市選挙管理委員会と協力して2月5日に来年度の児童会の運営委員を決める児童会選挙を行った。立候補の届出からポスター、選挙公報の作成、投票、開票まで実際の選挙と同じ流れで実施。嵜山校長は「実際に選挙を体験することで、児童の感情が動きリアルな学びにつながった」と手応えを話す。

市選管では、これまでに学校での出前授業や投票箱の貸し出しはあったが、実際に児童会選挙を学校と協力して実施するのは初の取り組みという。川尻小と出前授業の話を進める際に、「実際の児童会選挙を一緒にやってほしい」と学校が要望し、準備を進めていった。嵜山校長は「空想の模擬選挙では子どもの感情が動かない。児童会選挙なら子どもたちは本気になり、リアルな体験になる」と真意を説明する。

実際に1月28日には立候補の届出の受付が行われ、実際の選挙同様にくじ引きで受付番号を決め、選挙委員長の号令のもとで受理受付が行われた。それぞれがポスターと選挙公報用の原稿を提出すると選挙戦がスタート。校内の2カ所に顔写真と名前を強調したポスターが掲示され、選挙公報も配布された。

投票に悩む様子も

投開票日の2月5日には、投票前に選挙の意義などを市選管の職員が説明。その後、立候補者による演説が行われ、「アンケートでやりたいことを集計して、他学年との交流を増やし、より良い学校にしたい」、「イベントを計画してみんなを喜ばせたい」、「学校にも自分にも後悔ない1年にしたい」、「児童会の取り組みを通して、思いやり溢れる学校にしたい」などと訴えた。

今回、選挙権があったのは4年生以上で、児童は受付で入場整理券を投票用紙に引き換え、実際の記載台で記入し、投票箱へ投函した。記載台ではなかなかペンが進まない姿の児童も見受けられ、大いに悩む様子が伺えた。

児童は「記載台が仕切りで囲まれているから書くのに緊張した」、「全員良すぎて立候補の理由も良い。ハキハキ喋っていて誰に入れたら良いのか迷った」、「いつもはしゃいでいる感じの子が人のために役に立ちたいと言っていてすごいなと思った」、「演説する人と目があって任せられると思った。この人に決めようと投票した」、「みんなイベントをやりたいと言っていたけど、イベントが楽しくなりそうだと思った人に投票した」などと話した。

開票作業は選挙管理委員と教諭らが協力して進めた。実際の投票用紙計数器を使って各候補の得票数を数え、その後に結果を発表した。

嵜山校長は「子どもたちは有権者として素晴らしい態度で選挙に臨んでくれた。演説を聞いて、誰に投票するか悩んで、決定して1票を入れる。学校だから立候補している人の事はみんな知っているし、仲の良い友達が2人いるかもしれない。その中で考えて1票を投じる。これが本当の選挙だと思う。そして当選する人もいれば落選する人もいる。新役員にはその思いをくみ取って頑張ってほしい」と語った。

市選挙管理委員会の担当者は「今回の児童会選挙を通して、選挙を自分事として身近に捉え、これらの経験が実際の投票活動に結びついてほしいと思う。今回のような取組の仕組みを確立して市全体に広げていけたら」と今後を見据えた。

協力して開票する児童と市職員

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