新図書館の調査費、1票差で承認、四日市市議会最終日、請願2件は今回も審査期限を延長
三重県の四日市市議会は3月25日、本会議を再開、予算常任委員会で減額修正(削除)になった新図書館の調査費3470万円について、委員会の決定通り削除するかどうかの採決を行い、削除の修正に賛成16、反対17となり、1票差で修正は否決された。これにより、2025年度一般会計当初予算案は市側提出の原案通り可決され、市役所北の民有地に新図書館の建設場所を求める市の計画は前進することになった。
森智広市長は当初予算案が原案通り認められた結果を受け、「これで、新図書館について土地の調査をしっかり進められるので、関係者の協力を得て、できるだけ早く建設ができるようまとめていきたい」と話した。
新図書館をめぐっては、3月13日の予算常任委員会で、委員長を除く32人中17人が修正提案に賛成し、本会議でもきわどい結果になることが予想されてきた。修正提案をめぐっては、賛成、反対それぞれ2人ずつが討論をし、「建設用地のすべてを購入できる可能性は低く、借地で建てるとなると、事業費が高くなるなど不安定な要素が残る。市が保有している市有地に建設することが一番の早道だ」とする賛成意見と、「多くの市民が早く図書館ができてほしいと待っている。ここで調査費を削ってしまえば、長い間続いてきた議論が、またゼロからの出発になってしまう」とする反対意見など、それぞれの主張を戦わせた。
1票差できわどい採決になった調査費減額(削除)の修正提案
一方、市民グループから出されているPFASの実態把握を進める請願と、小中学校の給食費無償化の請願については、本会議でも審査期限の延長を求める意見が多数を占めたため、4月30日まで延長される。四日市市食肉センター・食肉地方卸売市場の早期建替えを求める請願は採択された。
本会議の最後に、3月末で退任する舘英次副市長があいさつに立ち、「任期は残るが私の個人的な理由で退くことになった。後任の荒木秀訓さんは長年苦楽を共にしてきた最も信頼できる人物だ。私は4人の市長の下で働き、重要な仕事も任せてもらえた。幸せな公務員人生だった」などと話した。