桜本で学習会 どぶろく闘争紹介 識者、在日への差別言及
戦後復興期における、在日コリアンの生活権をめぐる闘いをテーマにした全3回の学習会が川崎区桜本の社会福祉法人青丘社「みんなの家」(在日大韓基督教会川崎教会内)で開かれている。
第2回は「いのちをつないだドブロクをめぐる闘い」と題し、東京経済大学専任講師の李杏理(リヘンリ)さんが登壇。李さんは、終戦直後の在日コリアンの失業率が66・9%で完全失業状態の数が日本の労働者の6・5倍だったと説明。在日1世、2世の証言を交えながら雇われ先がない中、生きる糧としてどぶろくづくりが始まった歴史を紹介した。
1947年6月の「川崎事件」を契機に、酒税法班は主として朝鮮人との認識が法執行者の間で共有されたと指摘。その後の大舘、静岡高松などの朝鮮人コミュニティーが「集団的密造」の捜査対象となり、民族的属性が酒税法の根拠とされたと述べた。李さんは国籍、民族的出自などに基づき捜査対象を選別する「レイシャル・プロファイリングに位置付けられる」とも指摘した。
学習会は、川崎在日コリアン生活・文化・歴史研究会が主催。同会代表の山田貴夫さんは「戦後の在日コリアン史を知る上でもどぶろくをめぐる闘いは重要」と強調する。第3回は「在日朝鮮人社会保障からの排除〜生活圏獲得闘争をめぐって〜」をテーマに2月8日(土)、同所で学習する。講師は敬和学園大学准教授の金耿昊(キムギョンホ)さん。午後2時開演。申し込みは専用フォームから。