ミシン＆手縫いで春を呼ぶソーイングをしませんか？
ミシンで作った服を着ていたら、「どこで買ったの？」って聞かれちゃった♡……あき時間に少しずつ、手縫いでちくちく縫えば、なんだか気持ちもゆったり。
好みの色、楽しい柄、気持ちのよい手触りの布を用意して、ソーイングをしませんか。
「家にミシンがないから」「ミシンを出すのがおっくう」と、ソーイングから遠ざかっている方にも作ってほしいから、手縫いで作りやすい作品も用意しました。
新しい服を作ったら、春を迎えに行きましょう。
ミシン＆手縫いで 春を呼ぶソーイング
小幅生地で作る ボウカラーのブラウス
小さめのパーツをつないで作る、立体的で美しいシルエットのブラウスとコートドレスをご紹介します。
幅の小さな木綿の着物地などでも作ることができる、パターンのおもしろさを味わいましょう。
「伊勢木綿」の反物から作られたブラウス。
えりとつながったボウが、端正な印象を作ります。
チェック柄を生かした上下のわき身ごろにより、ウエストは高くほっそりと。
そではふんわりとふくらみつつも、えりぐりからカフスまでつながる「そで中央布」の効果でラグランそでに近いシルエットになり、肩を大きく見せません。
華やかさやスタイルアップを実現する、考え抜かれたパターン。
パーツが小さいので裁断などがしやすく、一度に縫う距離が短いため、意外と取り組みやすい作品です。
前側・後ろ側とも、中央の2枚の身ごろは柄を合わせて作りましょう。
わきは布をバイアスに使っていますが、無地や柄方向を気にしないでよい布ならば、たて地でも。
基本作品の身ごろとそでの丈を伸ばして、ワンピースとしてもコートとしても頼りになる1着を作りました。
えりとボウをなくしたえり元には、大きめの飾りボタン。
ボタンはスナップにかえて、よりシンプルに、すっきりと作ってウエストのひもでマークします。
生地はきれいなシルエットをしっかりとキープする、張りのあるツイード風の木綿地です。
コートとしてカジュアルにはおっても、曲線的で華やか。コーディネートの幅を広げる1枚です。
山口智美（やまぐち・ともみ）
パタンナー。文化服装学院デザイン科卒業後、アパレルメーカーで企画パタンナーとして勤務、パリコレを経験。独立後はドレスを中心に幅広くパタンナーとして活躍し、デザインも手がけ、服に合う生地選びにもこだわりを持つ。
ユニセックスで大活躍 大きなポケッㇳのお散歩パンツ
すっきりスマートに見えるシルエットと、大きなポケットが魅力のパンツを紹介します。
ウエストのサイズのほかに身長別にパンツ丈も選べるので、ユニセックスで楽しむことができます。
ストライプ柄で脚長効果が期待できる、シンプルなストレートパンツ。
両わきにつけた大きめのパッチポケットには、スマートフォンがすっぽり入るので、手ぶらで外出することも。
（モデル身長168㎝ M～Lサイズ・身長165～175㎝のすそ着用）
基本作品のすそにダーツを入れて、バルーンパンツにアレンジ。
くるぶしが見えるくらいのパンツ丈にすると、デザインの違いがよくわかります。ここでは基本と同じサイズでパンツ丈を10㎝短くしています。
前パンツのポケットには、大きめの財布も入ります。
ベルトを使えるよう、応用作品にはベルト通しをつけました。
後ろパンツにもポケットをつけて。
ヒップ周りをカバーする効果もあります。
前・後ろパンツのすそに2 本ずつダーツを入れました。
パンツ丈は好みの長さに調整してください。
坂内鏡子（さかうち・きょうこ）
ソーイングデザイナー、パタンナー。ナチュラルで実用的なデザインが人気を博し、アパレルブランドの企画に携わるほか、ワークショップなどでも活躍中。
手縫いで気軽に 春のはおりもの
道具も少なく、ちょっとした空き時間にできる手縫いで、肌寒いときも日よけにも、便利なはおりものを作りました。
パーツが少なく縫う箇所も少なめなので作りやすく、ゆったりと着心地もよい1枚です。
少し厚みのある、千鳥格子柄のコットン素材で作った、手縫いのはおりもの。
前身ごろとえりは1つのパーツになっていて、えり部分は折り返すので、裏表のない生地で作りましょう。
えりをきっちり折ったり、写真のようにクシュッとさせたりと、違った着方が楽しめます。
素材を綾織りの麻とウールの混紡生地にかえて作りました。
もともとしわ感のある布なので、くるくるっと丸めて荷物に入れて外出先ではおるなど、使いやすさもアップ。
シンプルで合わせる服を選ばないデザインですが、無地ならさらに万能に。
手縫いの服作りは、縫い代の始末がポイントです。
今回は肩とえりぐりの縫い代を、あえて目立つ色のバイアス布でくるんで、脱いだときに見えるとちょっとうれしい仕様に。
バイアス布は市販のバイアステープでもOKです。
ほかの縫い合わせ部分は「折り伏せ縫い」や「袋縫い」。
すそやそで口はミシンソーイングと同様の三つ折りにしています。
美濃羽まゆみ（みのわ・まゆみ）
手作り暮らし研究家。京都の町家で暮らし、子育ての合間に手作りを楽しむ。丁寧な暮らしを送る中で生まれる、おしゃれで実用的な服作りにファンが多い。
小幅生地で作る ボウカラーのブラウス
撮影／白井由香里 モデル／エモン美由貴
ユニセックスで大活躍 大きなポケットのお散歩パンツ
撮影／中野博安 モデル／森本奈緒
手縫いで気軽に 春のはおりもの
撮影／白井由香里 モデル／森本奈緒
ヘッダー画像
撮影／白井由香里 モデル／エモン美由貴