ガーン…猫が『なでた場所をすぐなめる』のはなぜ?考えられる4つの理由
1.毛並みを整えるため
飼い主さんがなでたあと、毛並みが逆立ってしまったり、ゴミが付いたりすることがあります。綺麗好きな猫にとって、被毛が乱れるのは耐え難いこと。乱れたまま放置すると、皮膚のバリアが正常に働かなくなることもあります。つまり、毛づくろいをして、毛並みを元に戻しているといえるでしょう。
そもそも猫は、起きている時間の3分の1を毛づくろいにあてているといわれます。これは野生時代の習性で、体のニオイを消して敵に見つからないようにしているのだとか。その他に、血行促進やマッサージ効果のために毛づくろいするという説もあります。
なでている間に喜んでいるようなら、直後に毛づくろいを始めたからといって触られることを嫌がっているわけではありません。「綺麗好きなんだね」と温かい目で見守ってあげましょう。
2.コミュニケーションのため
なでられた場所をなめるのは、コミュニケーションを取ろうとしている可能性もあります。この場合のコミュニケーションとは、飼い主さんと自分のニオイを混ぜることです。なでられた場所をすぐになめることによって、猫同士で行うような「グルーミング」をしていることになります。
猫にとってのグルーミングは、飼い主さんがなでたときから始まっています。愛情あふれる「ナデナデ」を受けた猫は、その行為をグルーミングとみなします。ニオイを混ぜて自分の居場所を再確認することで、飼い主さんとの絆を深めているともいえるでしょう。
これは、猫が飼い主さんのことを大好きだからこそのコミュニケーションといえます。たっぷり甘えさせてあげると、信頼もさらに深まるかもしれません。
3.ニオイを消すため
飼い主さんと猫の信頼関係が良好でない場合、ニオイを消すためにペロペロなめることがあります。前述の通り、猫は非常に綺麗好きな動物です。嫌いな人のニオイを体に付けたままにするのは我慢なりません。
なでられた場所をなめてニオイを消す行為は、お客さんや知らない人になでられたときにもたびたび見られます。心地の悪いニオイを、自分のニオイで上書きして不安を拭っているのでしょう。
なお、そもそもなでられることが苦手な猫もいます。この場合は、相手が誰であってもペロペロなめて刺激を和らげようとします。あまりにも長時間なでた場合や、触られたくない場所をなでた場合も同様です。猫がうんざりした顔をしていたら、なでる手を止めることをおすすめします。
4.リラックスするため
猫が日向ぼっこをしながら自分の体をペロペロなめているのを見たことがないでしょうか。これは、気持ちのいい環境で毛づくろいをすることで、自分自身をリラックスさせていると考えられています。
飼い主さんがなでたあとの猫の行動にも、同じことがいえます。つまり、なでられたことでリラックスしたため、さらにリラックスするためにペロペロなめているのです。自分の機嫌を取るのが得意な猫ならではの行動といえるかもしれませんね。
なでてもらって嬉しくなり、ついつい自分自身でもペロペロしてしまい、ゴロンと仰向けになってお昼寝…。猫にとって至福の時間なのかもしれません。
まとめ
猫が自分の体をペロペロなめる行為は、子猫時代の名残です。母猫は子猫をなめることで、汚れを取ったり、スキンシップを図ったりします。成長してからも、母猫になめられて安心したときの記憶が残っているのでしょう。
なでた場所をなめられるのは、人間からすると「嫌われてるのかな?」と感じてしまうもの。しかし猫は、嫌なことはハッキリと拒否する性質を持っています。引っ掻いたり「シャー」と鳴いたりしないのであれば、なでられること自体を嫌がっているわけではありません。
これからも、たくさんなでて親睦を深めてくださいね。