Yahoo! JAPAN

「え?この小さいキウイ本物なの?」ニュージーランドのキウイの研究施設に潜入【現地取材】

saita

「え?この小さいキウイ本物なの?」ニュージーランドのキウイの研究施設に潜入【現地取材】

私たちがふだん何気なく口にしている、甘くておいしいキウイフルーツ。 そのおいしさが“当たり前”だと思っていませんか? そのおいしさの裏には、想像を超える手間と時間がかけられていることがわかりました。日本から遠いニュージーランドの大地で大切に育てられ、厳しい基準をくぐり抜けて、日本にやってくるキウイ。甘く熟した状態で私たちのもとに届くまでの秘密を現地取材してきました! この事実を知ったら「キウイ」の“ありがたみを感じる”こと間違いなしです。

キウイフルーツの研究施設に訪問!

ニュージーランド タウランガ近郊のテプケ(Te Puke)にある、キウイフルーツの研究施設「キウイフルーツブリーディングセンター(KBC)」に訪問しました! 2021年に国有研究機関とゼスプリが出資してキウイフルーツブリーディングセンターが設立され、共同で研究開発を行っています。

約1,000人のスタッフと、700名の科学者がキウイフルーツの研究に携わっています。今回は、広報担当のサラさんと研究開発担当のリズさんにお話を伺いました。

これを知ると“売れるキウイ”が奇跡に感じる

ゼスプリと国有研究機関でのキウイフルーツの開発は、30年前から行われており、開発されたキウイの品種で最も有名なのは日本でもよく知られている「サンゴールドキウイ」と「ルビーレッドキウイ」です。

新品種の開発や改良のために、毎年3万〜4万本のキウイの苗木が植えられています。

新しい品種を作るだけでなく、今すでにあるサンゴールドキウイやグリーンキウイ、ルビーレッドキウイを、もっとおいしく、もっと育てやすくするための研究も進められています。

しかし、品種を改良するのは簡単なことではありません。
キウイの色や味、硬さ、栄養、害虫や病害への耐性……私たちの手に届くまでにはさまざまな研究が繰り返し行われています。たとえば、最近日本のスーパーで春頃よく見かけるようになった「ルビーレッドキウイ」が、私たちの手に届くまでには、なんと25年もかかっているんです……! じつは「ルビーレッドキウイ」という品種は、2011年にすでに誕生していましたが、そこから販売に至るまでには、さまざまな試験や準備を経て、長い時間をかけて市場に出されるようになったのです。

品種開発・改良の工程は、上の図にように長い長い年月が必要で、さらにステージ1の「苗木のスクリーニング」からステージ2の「クローン試験」に進める確率はわずか1%!
この事実を知ると、わたしたちが普段食べているキウイがどれだけ大変なプロセスを通して食べられるようになったのかがよくわかります。

今は、こうした時間をできるだけ短くするための研究も行われていて、まだ私たちが知らない“未来のキウイ”が少しずつ形になってきています。
現在は横に広げて栽培されているキウイですが、将来的に、土やスペースをあまり必要としない“縦に伸びるキウイ”が登場する日がくるかもしれません。

指の第一関節くらいの大きさ!これも全部キウイ!

手の上に乗っている小さなキウイ。これも本物のキウイです! こんな小さなキウイははじめて目にしました……。もともとキウイの遺伝子は50種類あり、その中から現在は、23の遺伝資源を使って、新しいキウイの開発が進められているそうです。 

キウイの「色」や「味」「栄養価」をつくり出すためには、遺伝子の研究が欠かせません。さらに、病気に強いキウイを育てるために、生物病理学の知見も取り入れながら、病気への耐性や免疫力、回復力を高める研究も進められています。

遺伝資源のひとつのキウイを特別に試食させてもらいました。

……「からい!!!」

キウイが“からい”なんて発想はなかったので、想定外過ぎました。
売れる品質になるキウイになるのはまさにいばらの道。
しかし、こうした研究や取り組みによって、よりおいしく、健康で育てやすいキウイが生まれていることがわかりました。

甘くておいしい味、心地よい食感、みずみずしさ、整った見た目、そして豊富な栄養……。私たちが当たり前のように食べているキウイには、実は長い年月とたくさんの研究の積み重ねがあります。

そのことを知ると、いつものキウイが、“まるで奇跡”のように感じられてきます。

saita編集部

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 賢い…!節約上手な人のキレイなネイルの秘密「趣味にもなりそう」「いいかも」【まんが】

    saita
  2. 「鶏むねが全然パサついてない!」「この味付けは白米3杯いけるやつ」漬けて焼くだけ!簡単めちゃウマ鶏むねレシピ

    BuzzFeed Japan
  3. 「パラパラ感の炒飯」工夫と挑戦 四日市の伊藤工機、大手コンビニ支える調理機

    YOUよっかいち
  4. ★明日のラッキー星座は? 12星座占い・運勢ランキング - 1位~3位【2025年6月16日(月)】

    anna(アンナ)
  5. 「北九州女子飲みweek」動画公開 市内における<女子飲みの魅力>を発信?【北九州市】

    北九州ノコト
  6. ★明日のラッキー星座は? 12星座占い・運勢ランキング - 4位~12位【2025年6月16日(月)】

    anna(アンナ)
  7. 『パン鯉釣り』の招かれざる厄介者3選 天敵ナンバーワンは「鴨(カモ)」?

    TSURINEWS
  8. 【御坊市】近寄りがたいというお寺のイメージを払拭するマルシェイベント|三条市・ごぼういち

    日刊にいがたWEBタウン情報
  9. 【キンツア】『KING OF PRISM』×『Paradox Live』奇跡のコラボが決定! 特報映像&シンとアレンの描きおろしコラボビジュアルが解禁

    PASH! PLUS
  10. 猫の目から『白い膜』が出たままに!?2つの対処法とやってはいけないこととは

    ねこちゃんホンポ