コーヒーがおいしい三軒茶屋・松陰神社前・新桜町の個性的かつおしゃれなカフェ5選
飲食への感度が高い東急沿線には個性的かつ、おしゃれなカフェがたくさん!数あるカフェの中でも、コーヒーへのこだわりが強い5軒のカフェを、厳選して紹介。
OGAWA COFFEE LABORATORY 桜新町(オガワ コーヒー ラボラトリー さくらしんまち)
スペシャルティ界の先駆け的存在!『OBSCURA COFFEE ROASTERS Home(オブスキュラ コーヒー ロースターズ ホーム)』【三軒茶屋】
『オブスキュラ』といえば三軒茶屋のスペシャルティ界でも、黎明期から知られた店のはず。当初はもっと奥まった場所でひっそりサイフォンで淹れていたのでは? そう伝えると、店長の佐藤圭悟さんは笑顔で答えた。
「その時代を覚えている方はもう少ないですね。ご覧の通り、今はより多くの方においしいコーヒーを飲んでほしくて、スタイルを変えて駅近にも出店しています」
近隣にテイクアウトのみの系列3軒を持つ中で、ここは文字通りのホーム。住宅地を背にした駅前にあり、仕事帰りに自宅用の豆を買いに寄る人が多い。
「2010年前後の開業当初から『ウチはコーヒー豆屋だ』という思いがありました」と佐藤さんが言うように焙煎豆は種類も豊富で、アフリカ中心に生豆の買い付けもしているそう。
インテリアにエチオピアの木彫り雑貨があるのはそのためだ。店内席も広いから、ゆっくり飲んで、お気に入りの豆を買って、という使い方がふさわしい。時代に応じてしなやかにスタイルを変えていく、地域の名店だ。
『OBSCURA COFFEE ROASTERS Home』店舗詳細
OBSCURA COFFEE ROASTERS Home(オブスキュラ コーヒー ロースターズ ホーム)
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1-36-10/営業時間:9:00~19:00/定休日:無/アクセス:東急電鉄田園都市線・世田谷線三軒茶屋駅から徒歩2分
在りし日の面影を残し診療所から再生したカフェ『ブルーボトルコーヒー 三軒茶屋カフェ』【三軒茶屋】
店があるのは三軒茶屋栄通り商店街の奥まった一角。路地に入った分、にぎわいを離れひっそりと立ち、隠れ家を思わせる。この地で3代続いた診療所をリノベートした店内は、当時の面影を残しながらモダンに生まれ変わった。コンクリートの荒々しさと白壁が調和した空間は、スタイリッシュであり温かみがある。
コーヒー豆は北砂のファクトリーで焙煎したもの。フルーティーな味わいを楽しめるようにその多くは浅煎り。「豆はどの店舗も同じもの。味にブレがないように、1日2回欠かさずチェックしています」と話すのは店長の壽福里歩奈(じゅふくりほな)さん。
「同じテイストでも、お店の雰囲気で味の印象が違ってくるのもコーヒーの面白さ。ぜひいろいろな店舗に足を運んでいただけたら」
この日、味わったのは「ジャイアント・ステップス」。ブルーボトルコーヒーの中では深めの焙煎で、力強いボディとコクが持ち味。まろやかな酸味も心地よい。一杯のコーヒーで心を整える、まさにとっておきの隠れ家だ。
『ブルーボトルコーヒー 三軒茶屋カフェ』店舗詳細
ブルーボトルコーヒー 三軒茶屋カフェ
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1-33-18/営業時間:8:00~19:00/定休日:無/アクセス:東急電鉄田園都市線・世田谷線三軒茶屋駅から徒歩5分
日常に溶け込み地域に根差すカフェ『KANNON COFFEE shoinjinja(カンノンコーヒー ショウインジンジャ)』【松陰神社前】
名古屋に本店を置く『KANNON COFFEE』が松陰神社駅前商店街にオープンしたのは2019年。当地を選んだのは、街のコミュニティが今も残るから。「街に寄り添うコーヒースタンド」のコンセプト通り、店の前の椅子で買い物帰りのお年寄りがひと休みするのもいつもの光景。
「子供たちが学校帰りに『ただいま』と挨拶してくれるのもうれしいですね」と話すのは、店長の小林郁実さん。学生時代にここを訪れた時、店の接客と雰囲気に魅了されたのが縁で就職したという。呉服店の建物を改装した店内は太い梁(はり)が目を引くレトロモダンな雰囲気だ。
親しみやすさを念頭に置き、取り揃えているのはブレンドが3種類。コクと苦味、香りと酸味、その両方を併せ持った味わいを用意する。そのほか、今月の豆のシングルオリジン、季節のブレンド、デカフェも。親しみやすさは値段にも表れる。ハンドドリップで丁寧に入れるホットは1杯500円~と財布にも寄り添ってくれる。
『KANNON COFFEE shoinjinja』店舗詳細
KANNON COFFEE shoinjinja(カンノン コーヒー ショウインジンジャ)
住所:東京都世田谷区若林3-17-4/営業時間:9:00~19:00/定休日:無/アクセス:東急電鉄世田谷線松陰神社前駅から徒歩3分
ラテアートと看板犬に和む。日常に寄り添う癒やしカフェ『815 coffee stand(ハチイチゴ コーヒー スタンド)』【新桜町】
ドアを開けると、出迎えてくれたのは看板犬のつくねちゃん。その愛らしさに、たちまち心が和む。最寄り駅から少し離れた住宅地の一角にあり、犬の散歩がてらに立ち寄る人も多い。
「日常の『あー、コーヒーが飲みたい』という気持ちに寄り添う一杯を提供したいんです」と話すのはマネージャーの木村麻美さん。「その一杯のおいしさを求めていたら、結果的にスペシャルティコーヒーになりました」とのこと。ドリンクはエスプレッソメニューが中心。マシンはラ・マルゾッコのストラーダを使い、豆はコロンビア、ブラジル、マンデリンの3種のオリジナルブレンド。
焙煎は店内で行い、ミルクの甘さが引き立つよう深煎りにしている。看板メニューのカフェラテは12oz(約350ml)とたっぷりサイズ。忙しさを忘れてゆっくり寛いでほしいという思いの表れだ。バリスタによる美しいラテアートで一気に満足度がアップする。本格的なコーヒーとゆるゆるとした雰囲気。そのアンバランスさがまた魅力だ。
『815 coffee stand』店舗詳細
815 coffee stand(ハチイチゴ コーヒー スタンド)
住所:東京都世田谷区弦巻4-11-17/営業時間:10:00~18:00(土・日・祝は9:00~18:00)/定休日:水/アクセス:東急電鉄田園都市線桜新町駅から徒歩8分
京都のテイストとコーヒーと充実の料理でもてなすラボ『OGAWA COFFEE LABORATORY 桜新町』
京都に本店を構える『小川珈琲』が2020年に東京に初出店したのがここ。地域に根差した店にしたいとの思いから、住宅地の桜新町を選んだという。
店内は自然光を生かした設計で、シンプルながらグレーを基調にした温かみのある空間。中央にはシンボル的存在の豆の貯蔵庫「蔵」があり、小さな入り口は茶室のにじり口をイメージ。随所に京都らしさをちりばめている。コーヒー豆はスペシャルティコーヒーも含め常時19種類以上。抽出もエアロプレス、ハンドドリップ、エスプレッソと多彩。
「都内には麻布台、下北沢に店舗があります。それぞれ個性があり、料理とコーヒーのペアリングが楽しめるのは唯一、桜新町です」と広報の稲葉瀬里菜さん。
自慢の料理は、コーヒーとの親和性から炭火に着目。代々木上原に直営店を構えて店舗プロデュースを行うシェルシュの丸山智博さんが監修。朝から昼、カフェタイム、夜まで趣向を凝らした料理が用意され、時間を変えて立ち寄りたくなる。これも京都のもてなしだ。
『OGAWA COFFEE LABORATORY 桜新町』店舗詳細
OGAWA COFFEE LABORATORY 桜新町(オガワ コーヒー ラボラトリー さくらしんまち)
住所:東京都世田谷区新町3-23-8 エスカリエ桜新町1F /営業時間:7:00~21:30LO/定休日:無/アクセス:東急電鉄田園都市線桜新町駅から徒歩3分
文=高橋敦史、木村理恵子 撮影=高橋敦史、富貴塚悠太