波止(堤防)チヌフカセ釣り入門【シーズン・グレ狙いとの差・道具・エサ・釣り方を徹底解説】
古来より人気の紀州釣り(団子釣り)、チヌ落とし込み釣り、かかりつり等々、手軽にかつ本格的に狙える釣りターゲットのチヌ!これからチヌ釣りを始める方に向けて、主に波止でのチヌフカセ釣りについて紹介していきます。夏場がベストシーズンなので、入門好機です。
夏場のチヌフカセ釣り
チヌフカセ釣りシーズンで直ぐに連想するのが春の乗っ込み時期。磯や波止場に元々居着くチヌも産卵期を迎える前に活発にエサを追う。又それとは別に産卵の為、沖から浅場へ大群が押し寄せる為、地域差により若干のブレは有るものの入れ食いが多発する時期だ。乗っ込み時期はチヌフカセ釣りで一番の人気シーズンだろう。
その後、春も終わりチヌが産卵に入るとパッタリと釣れなくなる。暫くの産休を終え6月~7月になると復活したチヌが荒喰いモードに入る。春より高水温の夏場はチヌの活性もMAX状態だ。梅雨時期に岸壁に付着するイガイを捕食するチヌ狙いの落とし込み釣りに爆釣され、フカセ釣りは不利と敬遠されがちだが、春の乗っ込み時期に匹敵する又はそれ以上の数釣りも夢では無いのが初夏から夏場にかけてのシーズンなのだ。
波止ならエサ取りも対応可能
水温上昇と共に増えるのがエサ取りだ。そのエサ取りを交わす為に編み出されたのが、紀州釣り(団子釣り)や落とし込み釣りで使うイガイエサ。流石に磯でのエサ取りの数は半端で無いのでこれからチヌフカセ釣りを始める方には酷だが、波止でのチヌフカセ釣りなら充分に狙えます!
グレフカセとチヌフカセの違い
世間一般に良く混同されがちなのが、チヌフカセ釣りとグレフカセ釣り。勿論、同一的な部分も混在しますが、そもそも魚の習性が違うので釣り方も違う部分がたくさん。グレではNGとされることでも、チヌではOKなんてことも多いので、コレもオススメ出来る理由の一つだ。
独特な刺しエサ
刺しエサのオキアミが駄目ならコーン。コーンが駄目なら練エサやサナギ。それでも駄目なら岩カニや、極端に言えば魚肉ソーセージや蒲鉾でも食って来る魚なのだ。
チヌがいるポイント
チヌは身近な場所に想像以上に多く存在する。都会の入り組んだ湾奥や河口や河川など、無理して沖に出なくても濁りが大好きな魚なので湾奥の方が釣果が出る場合も多い。目視でチヌが確認できるリバーチヌ狙いも面白い!
浅くてもOK
チヌフカセ釣りに於いてある程度水深が無いと釣果が望め無いと思う方々が多いが誤解である。水深一ヒロも有れば充分で有る。水深半ヒロでも私は竿を出すし釣果は望める。ただし水深が浅ければ浅い程、濁りや強風の助けが必要に成る事は必須で有る。
チヌフカセ釣りの道具
チヌフカセ釣りに於いてのタックルは極端な話、竿とリールさえ有ればなんだってOK!笑。理想は竿4.5m~5.3mのチヌ竿か磯竿。チヌ竿はメーカーにより同じ号数でも若干の誤差が生じるが1号前後が無難。慣れば08.06.04.0号等々遊んで見ても面白い。チヌ竿でもメーカーや価格帯で釣り味が違うのでそれも楽しみの一つだ。
なお、高額だから釣り味が良いとは限らず、要はご自身の嗜好の問題だろう。磯竿はチヌ竿より竿の調子バランスが若干違うので、大雑把に言えばチヌ竿より少し強めで張りが有るので一番低い号数でチヌ釣りには対応出来る。
リール
リールは2000番台前後の物で道糸が100mも巻ければ充分。レバーブレーキ付きの方が扱い易いが、レバーブレーキが無くても充分対応可能!安価なレバーブレーキでリール自重が重いより、安価でもリール自重が軽めのレバーブレーキ無しの方がストレスにならない。竿もリールも自重が軽いものが無難と言える。
ライン(糸)
道糸は1.7号~2号使用。2号より1.7号。1.7号より1.5号の方が釣り慣れればオススメ。ただ、号数を落とせばトラブルも多く、慣れるまでは2号位が無難。釣り場は凪日和より少々タフコンディションの日が多い。
少しの風で道糸に負担が掛かるフロートタイプより少し海面で押さえ込んでくれて自然とオートマ設定してくれるセミサスペンスドタイプがオススメ。サスペンドは慣れないとトラブルの元に成るので慣れてからの出番が吉だ。
ハリスは1.5号前後使用。障害物が無く直線強度なら1号ハリスでも充分だが結束時強度や他のトラブルを考え1.5号が無難。針はチヌ針2号~3号。
ウキ
ウキは5B負荷の物がオススメ。棒ウキ、円錐ウキ、管付円錐ウキ、水平ウキ等々色々有るが、自立タイプの棒ウキか菅付円錐ウキがオススメだ。
視認性が良くハッキリアタリが解る自立タイプ棒ウキが慣れるまでは良いが、遠投する場合やライントラブルでは円錐ウキに劣るので中間性を取って管付き円錐ウキも良い。
エサの選び方
刺しエサは、生オキアミ、加工オキアミ、コーン缶詰、練エサくらいで充分である。生オキアミより加工オキアミの方がエサ持ちが良いので、この季節なら加工オキアミからスタートして、エサが取られるならコーンや練エサに変便。コーンも2粒で駄目なら3粒、4粒と増やしてゆく。針もサイズアップすればより粒数を増やせる。練りエサも1円玉サイズ~500円玉サイズなど様々な大きさを試す。
まきエサ
まきエサは私はヒロキュー『俺のチヌ』『生さなぎ黒鯛』『底攻めズドン』をオススメする。3者共、シャク離れが良く遠投が効き扱い易い。
『俺のチヌ』のみ含有物が少なく、コーンや押麦等々自分好みの追加物を入れる仕様となっている。どれも袋裏面に記載されている通りに仕上げれば間違いないので、初めての方に大変便利だし極めて簡単だ。
釣り方
最後に釣り方だが、先ずは釣り場の水深を計測する。夏場と云えどもチヌ釣りはベタ底狙いが基本。潮流、風等々で丁度底スレスレにエサが配置される様に設定する。ポイントの水深にも寄るが、水深より半ヒロ程深くウキ下を調整して釣りを開始する。
エサは動けば動く程、エサ取りのエサ食になる。エサ持ちが悪ければ更にタナを深くする。夏場はエサが残るタナをまずは見つける事が重要だ。水深より半ヒロ深く取ってもエサ取りにヤラレる用なら更に半ヒロ深くするイメージだ。
チヌが寄ったサイン
刺しエサをオキアミで瞬殺でコーン3粒に変えても瞬殺。コーンを4粒に増やしたらちょっとコーンが針に残った。暫く続けているとコーンが取られなくなったのでオキアミに変えたがオキアミも針に残った。そんな時はチヌが近くに寄り、小型のエサ取りが散ったサインだ。
今迄はエサ取りにヤラレルので刺しエサは動かさない様に努力していたが、こんな時はちょっと誘って刺しエサを動かしてみよう。一発でウキが力強くアタリを示し、チヌがヒットするかもしれない。気長に撒きエサを絶やさずウキ下を底中心に微調整すれば必ずチヌはヒットします!
<秦厚治朗/TSURINEWSライター>