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次世代担う期待の若手揃う、西武唯一の永久欠番 プロ野球における背番号24の選手たち

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(左から)オリックス・紅林弘太郎、ソフトバンク・栗原陵矢、日本ハム・金村尚真,ⒸSPAIA

2024年現役選手の背番号「24」

高橋由伸(元巨人)や大野豊(元広島)など、投手、野手にかかわらず名選手が背負ってきた背番号「24」。2024年各球団の背番号「24」は下記の通り。

阪神:不在
広島:黒原拓未投手
DeNA:吉野光樹投手
巨人:大城卓三捕手
ヤクルト:星知弥投手
中日:福谷浩司投手

オリックス:紅林弘太郎内野手
ロッテ:東妻勇輔投手
ソフトバンク:栗原陵矢内野手
楽天:黒川史陽内野手
西武:永久欠番(稲尾和久)
日本ハム:金村尚真投手

不在:1球団
永久欠番:1球団
投手:6球団
捕手:1球団
内野手:3球団
外野手:0球団

西武は、前身の西鉄でエースとして活躍した稲尾和久が背負っていた「24」を永久欠番としている。2012年の稲尾の生誕75周年を機に、7月1日のホームでの試合と7月4日の福岡での試合の際に、西武の全選手、監督、コーチが背番号24の西鉄復刻ユニフォームを着用。試合終了とともに、球団として史上初の永久欠番となった。

現役選手では投手が6球団で最多。DeNAでは2022年ドラフト2位の吉野光樹、日本ハムでは同じく2022年ドラフト2位の金村尚真、広島では2021年のドラ1左腕、黒原拓未と期待の若手投手たちが「24」を背負う。

パ・リーグでは、将来の球団を背負って立つ若手有望株の着用が目立つ。ソフトバンクの栗原陵矢は2022年に「31」から「24」へ変更。2021年限りで現役を引退し、指導者に転身した長谷川勇也1軍打撃コーチから、ヒットメーカーの番号を受け継いだ。

オリックスでは紅林弘太郎が着用。高卒2年目の2021年には遊撃手として113試合に先発し、25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。将来、球界を代表するショートとなれるか注目だ。

阪神は昨季「24」を背負っていたブライアン・ケラーが今季から巨人へ移籍したため、唯一の空き番となっている。

次章以降では、背番号「24」を背負った歴代の名プレーヤーや球団の系譜などを紹介する。

巨人における背番号「24」

巨人の背番号「24」は現役時代から背負ってきた高橋由伸前監督から、2019年のクックを挟んで2020年シーズンからは大城卓三が着用している。

巨人における背番号「24」の歴史を振り返ってみると、1962年に宮田征典が着用しているのが目にとまる。宮田はリリーフエースとして活躍し、試合の終盤にさしかかる午後8時半頃にマウンドに登ることが多かったため「8時半の男」とも呼ばれていた。1965年には69試合に登板し20勝をマークするなど実績を残した。引退後も数球団でコーチを務めた名指導者だ。

その後、4選手を挟み、1976年にはドラフト3位で駒澤大学からプロ入りを果たした中畑清に受け継がれた。中畑は「絶好調」のフレーズでお馴染みとなり、ガッツ溢れるプレーでレギュラーを奪取した。1989年までの現役生活で打撃タイトルの獲得はなかったもののゴールデングラブ賞(一塁手)を7年連続で受賞。引退後はDeNAで監督を務めた。

中畑以降は大森剛、石毛博史、カステヤーノが着用。そして1997年にドラフト1位(逆指名)で入団した高橋由伸が受け継ぎ、監督就任後もそのまま背負っていた。

名選手、特に前監督と同じ番号を背負うのは大きなプレッシャーとなるのは想像に難くない。大城卓三はそれだけ球団の期待も大きいということだろう。今後の活躍に注目だ。

「神様、仏様、稲尾様」こと稲尾和久

「神様、仏様、稲尾様」「鉄腕」などのフレーズで有名な稲尾和久。1956年に西鉄へ入団すると21勝、防御率1.06の成績を残し、最優秀防御率と新人王に輝いた。1年目から1963年まで8年連続で20勝以上を達成。1961年には日本記録であるシーズン42勝をマークするなど、まさに鉄腕と呼ぶにふさわしい投球を見せていた。

シーズンだけでなく日本シリーズでも稲尾は結果を残している。1958年に行われた巨人との日本シリーズ。3連敗から4連勝したことで有名だが、稲尾は6試合に登板し、第3戦から第7戦まで5連投。4勝全てを稲尾がマークした。第7戦の翌日に「神様、仏様、稲尾様」のフレーズが新聞などを賑わせたのだ。

稲尾は入団から引退する1969年まで背番号「24」を背負い続けた。1970年から監督を務めた際も背番号は変更せず「24」を着用。1972年オフに「81」となるまで17年間にわたり使用していた。その後も、ロッテの監督を務めるなど1986年までユニフォームを着て指導していた。2007年に悪性腫瘍のために70歳で亡くなっている。

西鉄の後継球団でもある西武は、稲尾の生誕75年を記念して2012年に背番号「24」を永久欠番とした。また記念試合では西武の選手、コーチ、監督全員が「24」を着用して試合に臨んでいる。これは、日本プロ野球で初の事例だった。

「ザ・キャッチ」ことウィリー・メイズ

メジャーリーグ史上で最高のセンターと称されることもあるウィリー・メイズ。1951年にニューヨーク・ジャイアンツ(後にサンフランシスコ・ジャイアンツ)でメジャーデビューを果たし、1973年まで現役でプレー。首位打者1回、本塁打王4回、盗塁王4回のタイトルを獲得し新人王、MVPも2回受賞している。

また、打撃だけでなく守備も一級品であり、12年連続でゴールドグラブ賞にも輝いた。まさに走攻守そろった名選手だった。

そのメイズを象徴するのが「ザ・キャッチ」と呼ばれるプレーだろう。クリーブランド・インディアンスと争った1954年のワールドシリーズ第1戦。2-2で迎えた8回表無死一二塁の場面でインディアンスのビク・ワーツはメイズの守るセンターへ大飛球を放った。

誰もが抜けたと思った当たりだったが、メイズはほぼ打球を見ることなく全速力で落下点に入り背走のままキャッチ。絶体絶命のピンチを救った。

今でも、外野手が背走のままキャッチをすると「ザ・キャッチ」と呼ばれるほど、このプレーはファンの脳裏に焼き付いている。その後、メイズが背負った「24」はジャイアンツの永久欠番となった。

全米1位から野球殿堂入りしたケン・グリフィー・ジュニア

イチロー(マーリンズ)とも仲がよかったことで知られるケン・グリフィー・ジュニア。2016年にアメリカ野球殿堂入りを史上最高得票率となる99.3%で果たしたレジェンドだ。また、父であるケン・グリフィー・シニアは「ビッグレッドマシン」と呼ばれていた1970年代のシンシナティ・レッズで活躍していた二世選手でもある。

1987年のドラフトにおいて全米1位でシアトル・マリナーズ入りすると、1989年にメジャーデビュー。1994年に初の打撃タイトルとなる本塁打王を獲得。その後も1997年から1999年まで3年連続で本塁打王に輝くなどメジャーリーグを代表する強打者となった。

2000年に父も在籍したレッズに移籍。その後、シカゴ・ホワイトソックスを経て2009年にマリナーズへ戻る。ここで初めてイチローとチームメイトになった。

このとき、ケン・グリフィー・ジュニアは39歳ということもあり、全盛期のような活躍はできなかった。多くのファンに惜しまれつつ翌2010年に現役を引退。通算630本塁打を放ち、野球殿堂入りと同時にマリナーズで背負った背番号「24」は永久欠番となった。

1990年代は禁止薬物の使用疑惑が多かった時代だ。しかし、その中でケン・グリフィー・ジュニアは常にクリーンさを保ち、疑惑とは一切無縁だったことでも知られている。

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記事:SPAIA編集部

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