船橋港発!サステナブル・シーフード「コノシロ」で未来を拓く【船橋市】
約2000トンという日本一の水揚げ量を誇る船橋港のコノシロが注目を集めています。
盛り上がりの仕掛人を直撃してみました。
小骨が多く家庭の食卓に上らなかったコノシロ
冬が旬のコノシロは体長20〜25cmの白身魚。
出世魚で、寿司ネタで人気のコハダは幼名の一つです。
成長するにつれ小骨が多くなるため、多くは養殖用飼料や肥料にされてきました。
「コノシロが鮮魚として愛されないことを長年不満に思っていた」と話すのは船橋漁港3代目網元で海光物産社長の大野和彦さん(65)。
大野さんは漁業の将来に危機感を持ち、「KIWAMERO命」をキャッチフレーズに魚食の普及と国内食料自給を推し進めてきました。
持続可能な漁業は祖父・繁次郎さんの教えでもありました。
船橋市の食育にコノシロを活用
単価がコハダの10分の1にしかならないコノシロの価値を高めるべく、大野さんはプロジェクトを始動。
コノシロを広く知ってもらうため、小骨が多いという問題について、船橋漁協、市役所、小中学校、加工・納入業者が協力し、「落とし身」と呼ばれるすり身の状態にした食材を準備。
各校の栄養士が試作を行い、昨年秋から学校給食でコノシロを使った料理が提供されるようになりました。
「サンガ焼き」「まさご揚げ」「南蛮漬け」など、徐々に提供する学校が増えています(2025年3月末で42校)。
「フワフワしてやわらかい」「初めてだけど食べやすかった」と子どもたちの評判も上々。
市役所担当者も「船橋市の食育」として手応えを感じています。
船橋漁協組合長の中村繁久さんは「給食を皮切りに、ご家庭の食卓に上るようにしたい」と将来を見据えます。
安価で供給量が安定しているコノシロには、スナック菓子の原料としての可能性も広がっています。
菓子メーカーとタッグを組み、年内の商品化に向けて開発中。
出世魚コノシロは、誰もが認める船橋名産鮮魚として一躍存在感が高まっています。(取材・執筆/マット)
コノシロ買えます
船橋漁港で水揚げされた新鮮な魚介類を販売している「三番瀬みなとや」で、鮮魚のコノシロはもちろん、加工品の「コノシロフライ」や「このしろつみれ」を買うことができます。
住所/千葉県船橋市日の出1-22-1(船橋漁港内)
時間/午前10時半~午後3時
定休日/毎週火・水曜
問い合わせ
電話番号/047-434-0668
※売り切れの場合あり、確認要