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「レオ・レオーニの絵本づくり展」ヒカリエホールで開催中!絵本ワールドでアートを体感しよう

イロハニアート

小学校の教科書にも掲載されている『スイミー』をはじめ、『アレクサンダとぜんまいねずみ』のほか、数々の名作を手がけたレオ・レオーニ(1910〜1999)。

撮影:Massimo Pacifico

絵本界の巨匠というイメージがありますが、長年グラフィックデザインやアートディレクションの仕事に携わった経験があり、当時の技術は絵本制作にも活かされています。

ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)で開催される「レオ・レオーニの絵本づくり展」では、彼が49歳から始めた絵本づくりにフォーカスし、細部までこだわり抜いた手しごとを紹介します。

本展は、絵本原画の展示に加えて、彼の世界観を体感できる映像などのコンテンツも充実。8月27日(水)まで開催されますので、この夏休みはお子様と一緒にレオーニの絵本ワールドを楽しんでみてくださいね。

展覧会の見どころ


レオ・レオーニ 《マックマウスさん》原画 1992年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

レオーニは、子どもの絵本に抽象的な概念を初めて取り入れた『あおくんときいろちゃん』を1959年に出版し、絵本作家としてデビュー。1999年にイタリアで亡くなるまで、およそ40冊もの絵本を制作しました。

本展では、様々な素材を切り貼りするコラージュなど、レオーニならではのテクニック(技法)に注目し、細やかな手しごとを紹介します。

また、『6わのからす』の原画とストーリーを合わせて展示し、彼が作品に込めたメッセージを読み解きます。

世界中の子どもたちに愛される絵本が、どのように生まれたのか? レオーニの想いとともに、こだわりの絵本づくりに触れられる展覧会です。

レオ・レオーニならではのテクニック(技法)


レオ・レオーニ 《アレクサンダとぜんまいねずみ》原画 1969年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

コラージュ、油彩、水彩、クレヨン、色鉛筆など、多様な画材を使って表現を追求したレオーニ。彼は、ストーリーを明確に伝えることが何よりも大切だと考え、「ストーリーにもっともふさわしい手法をつかおうと努めている」と語りました。(※)

たとえば、『アレクサンダとぜんまいねずみ』『フレデリック』に登場するねずみのキャラクターは、コラージュの技法を使い、紙を手でちぎって柔らかな毛並みを表現しています。

また、多くの人が一度は読んだことがある『スイミー』に注目すると、小さな魚のきょうだいたちが、似たような形をしていることに気づくでしょう。これは、スタンピングという手法で、同じデザインのスタンプを色や向きを変えながら押していき、一匹ずつ描いています。

彼は、アートディレクターの仕事で広告を手がけたり、絵画や彫刻も制作してきましたが、それぞれの分野で多くの素材と技法を用いてきました。レオーニの豊富な経験とセンスから生まれた幅広い表現を、ぜひ原画で感じてみてくださいね。

(※)参考:「レオ・レオニ インタビュー」聞き手 M. ラマツォッティ、朝日新聞社 企画事業本部 大阪企画事業部、松本育子(刈谷市美術館)『レオ・レオニ 絵本のしごと BOOK! ART! BOOK!』、朝日新聞社、2012〜2014年、p.133

レオ・レオーニが絵本に込めたメッセージ


レオ・レオーニ 《6わのからす》原画 1988年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

レオーニは、主人公たちが「自分とは何か」を考え、自分らしく生きる大切さを見つけるストーリーを、丁寧に描き出しました。

本展では、『6わのからす』の原画から、ストーリーと絵のつながりに注目し、彼が作品に込めたメッセージを紐解きます。

畑のムギをめぐる、からすたちと農夫の知恵くらべを描いた本作。ムギを守ろうと躍起になる農夫と、それに対抗するからすたちの対立によって物語が展開します。

『6わのからす』のように、登場人物の意見が食い違うシーンを、レオーニはたびたび描きました。その中で際立つのは、ゆるぎない信念を持った主人公です。

彼の孫であり、作品を管理しているアニー・レオーニ氏は、次のように話します。「レオは、彼自身がフレデリックであり、スイミーであり、そしてマシューでもあったのです。自分の絵本の主人公たちのように、確たる信条を持った人でした(後略)」。(※)

自分らしさの発見や集団との関係を通じて、人間の存在そのものを追求したレオーニの作品。発表から何十年もの時が経っても多くの人を魅了するのは、誰もが直面する課題を、彼ならではの信念とユーモアによって表現しているからだと言えるでしょう。

(※)「レオ・レオーニの絵本づくり展」プレスリリースより抜粋

レオ・レオーニ 《マシューのゆめ》原画 1991年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

本展には、Bunkamura ザ・ミュージアムとplaplaxのコラボレーションによる、レオーニの絵本ワールドを体感できるコーナーも登場します。

会期中、レオーニのテクニック(技法)を体験できるワークショップやイベントも開催予定です。最新の情報は、展覧会の公式HP(レオ・レオーニの絵本づくり展)でチェックしてみてくださいね。
この夏は、親子でレオーニの世界に遊びに行きましょう!

展覧会情報


◆レオ・レオーニの絵本づくり展

会期:2025年7月5日(土)〜8月27日(水)
会場:ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)
開場時間:10:00〜19:00(最終入場は18:30まで)
休館日:7月24日(木)
公式サイト:レオ・レオーニの絵本づくり展

《参考文献》
朝日新聞社 企画事業本部 大阪企画事業部、松本育子(刈谷市美術館)『レオ・レオニ 絵本のしごと BOOK! ART! BOOK!』、朝日新聞社、2012〜2014年

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