カイロ(エジプト)を訪ねて~作家・秋山秀一「旅の記憶(45)」
訪れた国や地域90以上、海外への旅は233回。旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。
旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。『鎌ケ谷 まち歩きの楽しみ』『世界観光事情 まち歩きの楽しみ』『ウクライナとモルドバ』『旅にでる、エッセイを書く』など著書多数。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。
スパイスの香り漂うバザールを歩く
カイロの旧市街はナイル川の右岸に形成されている。
トルコのアヤソフィアを模した外観をした高さ82mのミナレットのあるモハメッド・アリ・モスク、それに、観光客に人気のハーンハリ・バザールもナイル川右岸にある。
観光客で大にぎわいのバザール内を歩くと、道の両側には、貴金属、工芸品、スパイスや絨毯(じゅうたん)、それにツタンカーメンなどが描かれたパピルスを売る様々な店がひしめき合って並んでいる。
そこで、ヒエログリフが描かれたパピルス製品を何点も買った。
考古学博物館を見学し、市場も歩いた。
一人で歩いていたとき、子どもたちが行列になって後ろにいた、なんてこともあった。
水パイプを吸っていた男と視線が合ったとき、「ここに来て、座って、これを吸え…」というような仕草をされ、水パイプを吸ってみた。
土地のビールやワインも飲んだ。
スフィンクスと3大ピラミッドへ
カイロの年間降水量は、25mm。
その乾いた砂漠の地、ナイル川左岸のギザに、観光客に人気のスフィンクスがあり、有名な3大ピラミッドが建っている。
チケット売り場を通ると、すぐ南にクフ王のピラミッドがある。
その先にカフラー王のピラミッド、その先にメンカウラー王のピラミッドと続く。
狭い入口から、ピラミッドの中にも入った。
クフ王のピラミッドは本来の高さは146mだった。
が、現在の高さは137m。
頂上の中央に立つ鉄の棒は、ピラミッドのもともとの高さの位置を示している。
(文・写真/秋山秀一)