Z世代に「ベーゴマ」を 昔の文化を発信
お正月の遊びと言えば、何を思い浮かべるだろう。羽子板、たこ揚げ、かるたなどいろいろあるが、こま回しもその一つ。そのこまの中で、今回紹介するのは「ベーゴマ」。大正時代から1950年代後半にかけて、子どもたちの間で流行したものの、現代では遊ぶ子どもも少なくなっているようだ。
今回、区内で風車、竹とんぼといった昔遊びの魅力を発信している「まちづくり推進委員会ゆかりの会」の関口清会長、濱岡信子さん、鈴木惠美子さんに「ベーゴマ」の起源や歴史、遊び方、魅力などを聞いた。
「ベーゴマ」とは日本発祥の鉄製のこまで、ひもを巻きつけて回し、どちらが長く回るかを競う遊び。起源は諸説あるが、平安時代に関西方面で「バイ貝」という巻き貝の殻に砂を詰めてひもで回したのが始まりと言われている。最初は「バイゴマ」と呼ばれていたが、関東に伝わる時に訛って「ベーゴマ」になったそうだ。大きさは直径3cm前後の浅い円錐形で、形のバリエーションは全部で9種類。今回は角六と呼ばれる、六角形のこまを紹介してもらった。東京六大学のイニシャルが入っていて、六大学野球に由来しているという説もある。
遊び方はまずゴザを長方形に折るか、そのまま被せて台の上に置く。もしくはタルやバケツの上にシーツやビニールなどを張って遊技台を作り、その中で複数人が「ベーゴマ」を回し、誰のこまが長く回り続けるか、弾き出されずに留まるかなどを競い合う。関口さんは「誰が勝つか分からないのがドキドキして楽しい」と目を輝かせる。コツは「こまの頂点からきつくひもを巻くこと」。上達すれば本やテーブルなどいろんな物の上に乗せて楽しむ人も。
同会は「なかはらっぱ祭り」などイベントにも参加し、「ベーゴマ」を知らない人たちに昔遊びを伝え続けている。濱岡さんは「若者にベーゴマの魅力を広めていきたい。訪日外国人も増えているので、日本の遊びを知ってもらい、交流のきっかけになれば」と期待を込める。