B3から最短2シーズンでB1に昇格した“THE下克上クラブ”長崎ヴェルカ! Bリーグ成り上がり列伝①【バスケ/Bリーグ】
日本のプロバスケットボールリーグ、Bリーグは2026‐27シーズンから新リーグを開幕させる。新リーグでは現在のようなシーズン成績による昇降格が廃止されるため、現在B2、B3で戦う各クラブにとっては今シーズンが現行制度による昇格のラストチャンス。『ラブすぽ』では今回、B3から現在B1にまで上り詰めた「下克上クラブ」をご紹介!過去の戦いぶりから昇格までの道のりを振り返る!
■B1昇格までの道のり
2021‐22 B3/1位(B2昇格)2022‐23 B2西/2位(B1昇格)2023‐24 B1西/6位
Bリーグの歴史上、創設から最速でB1にたどり着いたのが現在B1西地区に所属する長崎ヴェルカだ。2020年にクラブが創設されると、同年10月に一般投票でクラブ名が『長崎ヴェルカ』に決定。翌年からB3に参戦すると、ジェフ・ギブス、狩俣昌也、山本エドワードといった前年までB1でプレーした選手を次々と補強し、開幕からリーグ記録となる13連勝を記録。2021‐22シーズンは45勝3敗、勝率.938というB3記録を叩き出し、わずか1年でB2に昇格した。
2022‐23シーズンはB2西地区に所属。このシーズンも川崎ブレイブサンダースのパブロ・アギラールら、B1経験者を補強し、シーズン中にも離脱者の穴埋めにB1でのプレー経験がある外国籍選手を次々に補強。同シーズンは43勝17敗で地区2位、B2全体4位で昇格プレーオフに進出。セミファイナルでアルティーリ千葉を相手に91‐86で勝利し、ファイナル進出とともに翌シーズンのB1昇格を決めた。
B3から所要2シーズンでのB1昇格はライジングゼファー福岡に次いで2度目。クラブ創設3シーズン目でのB1昇格は史上最速の快挙だった。
B1参戦後も積極的な補強は健在で、2023‐24シーズンには日本代表の馬場雄大を迎え入れ、同シーズンは昇格1年目ながら27勝33敗で西地区 6位で残留。B1参戦2年目の今シーズンもチャンピオンシップにこそ届かなかったが、すでに2026‐27シーズンの新リーグではB1に該当する『Bプレミア』への参戦が決定している。
過去のB1王者はすべてB1初年度から結果を残し続ける「古豪」がほとんど。B3経験クラブからチャンピオンは生まれていない。長崎にはぜひ、B1(Bプレミア)史上初となる「B3からの頂点」を目指してほしい。
文・花田雪